呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

詩人所縁の地を訪ねて~その1

2009-11-09 | コンサート・LIVE・演劇などの話

男声合唱団で練習中の曲の「詩の世界」を少しでも体感すべく、信州の某地域を訪ねた。合唱団のメンバーと家族を含め、総勢12名の旅だ。
この地域には某詩人が終戦直後から暫くの間移り住み、戦争で傷ついた心を地元の人たちとの交流を深めることによって癒し、再び創作活動に打ち込むことになったという。
周りを山々に囲まれた田んぼや畑、牧草地が広がる自然豊かな土地だ。
詩人はこの辺りをイメージしたり、信州の山々を題材にした詩をたくさん書いている。
今度の定演では、それらの詩のいくつかに曲を付けた男声合唱曲を演奏する。

一日目は、まず詩人所縁の病院を訪問した。
以前は結核の療養所でもあり著名な作家や画家たちも療養していた施設。
詩人はこの療養所を訪れ、一般の入所者とも交流を持っていたらしい。
今は総合病院として現存しているが、裏手には当時の結核療養所で使っていた建物がそのまま残り、資料館となっていた。



資料館を後にして、詩人が住んでいた住居跡へ。
当時の建物はもうなく、こんもりとした森だけが残っていた。現在は町有地となっていて森の周囲に鉄線が張り巡らされていた。
「なんだ、入れないのかぁ~」と残念がっていると、メンバーの一人が「あれ、ここは鉄線がめくれ上がって、入れるよ。前にも誰かが入ったみたい」
その一言で、大きな声では言えないが、みんなで中に入ってしまった。
鬱蒼とした雑木林の中、ここで詩人は妻と二人でひっそりと暮らていた。
戦渦に巻き込まれ、作詩活動も自分の本意とは違う方向に引きずられたらしい。
詩人がここで傷心を静かに癒し、再び創作活動に突き進むことになったと聞いて、ちょっと敬虔な気持ちになった。
林に秋の緩やかな日差しが差し込み、とても気持ちが良い。
ハイ、我が男声合唱団の「どこでも歌いたい」病が再発。
詩人の歌をしっかり歌いましたよ!(立ち入り禁止なのに良くやるよね)
歌い終わると、早々に立ち入り禁止区域を脱出し、JRの駅近くのミュージアムへ。
ここにも詩人の資料がたくさんあった。
この地域の人々にとって、詩人はとても大切な「財産」なんだろうね。皆さんが大事しているという感じがひしと伝わってくる。

さて、本日の宿は明朝登る(それなりの山登りらしいです)山の中腹にあるペンションです。
このペンションがある地域は、詩人が当時足繁く通い、村人に文学の話をしたり俳句を教えたりして交流を深めたところだそうだ。
前以てペンションのご主人に、詩人と関わりがあった方がいらしたらお話をお聞きしたい旨を伝えていた。
そうしたら、なんとこの地域では詩人と一番親交のあったHさんに、わざわざペンションまでお越しいただく段取りまで取っていただいた。
五十を越えていた詩人は、兵役から戻り夫婦で農業をやっていた若きHさんと家族ぐるみの付き合いをしていたという。Hさんご夫妻を詠んだ詩もある。
今年84歳になったHさんの、朴訥とした詩人の思い出話をじっくりお聞きすることが出来た。Hさんに深謝!

夕飯前にみんなで近所の日帰り露天風呂に行った。ここの温泉は、とろっとした柔らかなお湯で、とても体が温まった。
さぁ、お風呂も入ったし喉も渇いたし、夕飯です!ビールです!
このペンションは、冬はスキー客、夏はパラグライダーやMTBの合宿などで賑わうらしいが、今回は我らの貸切。
さぞや「呑めや歌えや」かと思いきや、詩人の高邁な隠遁生活やHさんの素朴な語りに感化されたのか(?)、2次会も早々にお開き。11時前にはみんなで寝てしまった。
今日は結構歩いたし(11,000歩!)、昼間から結構呑んだし、昼飯の食堂で他の客がいないのをいいことに乾杯の歌は歌ったし、詩人の住居跡でも歌ったし・・・
満天の星を見上げながら露天風呂に入ったし、星空に向かって「見上げてごらん夜の星を」を歌うことが出来たし・・・。
十分に満足な第1日目でありました。



どこでも「呑めや歌えや」・・・昼食を摂った駅前食堂にて

*肝心のデジカメのバッテリーが切れてしまったため、画像がほとんどありません。

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