![]() | ウルフガイ若き狼の肖像 (ハルキ文庫―アダルト・ウルフガイシリーズ)平井 和正角川春樹事務所このアイテムの詳細を見る |
*上記画像は「ハルキ文庫版」
♪「ウルフガイ・若き狼の肖像」平井和正著 角川文庫
以前にも書いたように、職場の先輩から相当古い文庫本が回ってくる。
先輩もどこからか(友人?取引先?)貰うらしく、読みたいものだけ読めばよいとのこと。
平井和正は、僕が子供の頃に夢中で見ていたTVアニメ「エイトマン」の原作者。
それに20代には「幻魔大戦」シリーズを読んだ。
「幻魔大戦」はスピード感がありめちゃくちゃ面白かったが十何巻か読み続けて、最後の最後が尻切れトンボみたいに終わってしまい、大いに憤慨した記憶がある。
途中わくわくしながら一気に読んで、最後に裏切られて怒ったのは、この「幻魔大戦」と、鈴木光司の「リング・らせん・ループ」シリーズぐらいだ。
鈴木光司は今でも許せん!(詳しくはそのうちに・・・)
さて「ウルフガイ・若き狼の肖像」
初版が昭和54年だというのだから、相当古い。角川文庫も昭和61年発行で、もう絶版らしい。
舞台は東京オリンピックが開催された昭和40年前後あたりで40年以上前だ。
満月の頃には不死身になる学生トップ屋(設定からして古い!)がヤクザや外人殺し屋、右翼の大物を相手に暴れまくる。
狼男シリーズの主人公の若き日々の記録ということで、まあ劇画の域を出ないと言うか、漫画として読めば良いと言うか・・・。
昭和50年代に読んでも舞台や主人公たちの会話が古臭いと感じるのではないか。
だから今読むと、正直言ってピンとこない。
それは仕方がないことだね。
平井和正という人は天才作家だったと思うが、この時代に読み返しても「陳腐」以外なにものでもない。
追伸)
この後読んだのが、井上靖の「氷壁」
これまた昭和30年代初めの話だが、舞台や会話は相当古臭いが、ストーリーは瑞々しく未だに感動的だ。
純文学と娯楽小説の差なのかな。