呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

お母さんへの手紙 その8~今年も花火が綺麗です

2007-08-16 | 家族のこと

お母さんへ
今日は8月15日、お盆です。
今年はお母さんが逝ってからまだ日も経っていないし、百箇日法要ももうすぐなので
お盆だからといって特別なことはしていません。
でもお母さんはこの近くにいるのでしょうか。
特に仏教徒でもないし、どちらかといえばキリスト教に興味がある僕ですが
お盆に亡くなった人の霊を迎えるという仕来りは、素直に共感が持てますね。
13日に迎え火、16日には送り火を焚いて霊を送迎する。
早く帰って来れるようにキュウリの馬の人形を、帰りは名残惜しいのでゆっくり行くように牛を茄子で作ってお送りする。
日本人って、優しい心を持っているよね。

今日は終戦記念日でもあり、恒例の大田区終戦記念平和式典の花火大会がありました。
ここのところいつも僕は友達と観に行っていましたね。
お母さんも誘ったけど、出不精と友達に気を遣ってか、行かなかったよね。
今年も多摩川の河原でと思ったけど、結局ウチのマンションにみんなを呼びました。
ここに引っ越してきた時から、ベランダから目の前に見える筈だと思っていたし
お母さんも「よく見えるよ」って言ってたもんね。
S夫妻とYが来てくれたよ。
ベランダにキャンプ用のテーブルを出して、ビールを飲みながら観ました。
凄くよく観えるじゃないか!特等席だ!
これだったら、人ごみの中を河原まで行く必要は全然ないね。
こんなによく観えるんだったら、去年は家族でベランダから観れば良かったね。
また後悔してしまいます。
来年からは毎年我が家で花火鑑賞会をやることになりました。
この大田区の花火大会には、終戦記念日の犠牲者の鎮魂と不戦の誓いが籠められているんだけど
お盆と重なるところに、なんか他の花火大会にはない厳かさを感じます。
お母さんを亡くしたから、そんな風に思うのかな。

金曜から仙台に帰ります。
Yuは友達と旅行中なので、1日遅れで仙台にやってきます。
新座のおばあちゃんは、お母さんの遺骨がまだあるのに置きっ放しで家を空けることが不満のようです。
その気持ちも分からないことないんだけど、決してお母さんを放ったらかにしするつもりはありません。
遺影も持っていきますよ。いつもの「茂庭荘」です。
懐かしいでしょう!また家族みんなで行きたかったね。残念です。
お母さんは一人になんかならないよね。いつも僕らと一緒だよね。
仏教の本当の考え方はよく分かりませんが、常にお母さんが僕たちと一緒というのは素直な気持ちです。
だから僕たちがどこへ行ったって、お母さんが一人になるということはありませんよ。
それでいいよね?
一緒に仙台のウチへ、そして茂庭荘へも行こうね。
今回は新幹線です。Waもなんとなく楽しみにしているようですよ。



昨日キッチンでいろいろやっていたら、レンジの上から「パイナップルの鍋つかみ」を見つけました。
懐かしいねぇ。
僕たちの新婚旅行のときに、みんなにお土産で買ってきたやつだ!
もう22年前だよ。ホントに懐かしい。
ハワイに新婚旅行か。そんなこともあったよね。
もう一度ハワイに行きたいって、よく言ってたね。
僕は「定年にでもなったらいつでも行けるさ」って言ったよね。
無理して、もっと早くに行っておけばよかった。
またまた後悔です。

ごめんね。また後悔とか愚痴っぽい手紙になってしまいました。
仙台から帰ったら、また報告します。
来週の土曜にはお母さんの新しいお墓が出来ます。
そして再来週は、百箇日法要と納骨です。
また少しバタバタしますが、それで漸くお母さんも落ち着くのかな。
それではお元気で(変な言い方?)、またね!

ippoより
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呑む気父さんの読書感想文・亥の14 「沈黙」

2007-08-16 | 本の話
沈黙
遠藤 周作
新潮社

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♪「沈黙」遠藤周作著 新潮文庫

実に35年ぶりに読み直した。
この作品を最初に読んだのは、高校1~2年生の頃だ。
当時は単行本で、ケース付きハードカバー。最近はケース付きの本って、ないね。
この本はもうすっかり色褪せて、今でも僕の本棚に並んでいる。
今回は本屋で文庫を見かけ、つい買ってしまった。
なんとなく妻のこともあって、宗教的なテーマに興味を惹かれたのかな。

35年ぶりに読み直した訳だが、今回もなぜ神は沈黙したままなのか
主人公の司祭がどう心を整理したのかが、よく分からなかった。
結局司祭は救われたのだろうか。キチジローは?
拷問に掛けられ殉教した信者は救われたのか?
日本人の信ずる神は、本物のキリスト教とは似ても似つかぬものなのか。
小説としてはとても面白く感動的ではあるが、疑問が解決されないもどかしさも残る。
もう40年も前の作品だが、日本人の宗教観に問題提起する主題は、今でも新鮮だ。


コメント (2)
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