潮風に誘われて

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市民劇場

2014年05月31日 | 趣味
30日、金曜日の夜は西大寺公民館大ホールで開かれた市民劇場例会、俳優座の公演、
樫の木坂四姉妹を観に行って来ました。

ホールに入った時、見慣れた緞帳ではなく、黒地に白で大きく枝を広げた樹がいっぱいに
描かれた紗幕に驚きました。
 


樹齢数百年を超える樫の老木が葉を拡げ、長崎港を一望する古い石畳の坂道を、土地の人々は
樫の木坂と呼んでいました。

舞台は、二幕ともこの大きな樫の木を背にした葦葉家の居間の場面一つで、この一つの舞台設定で、
1945年と2000年がみごとにつながっていました。

この坂の中腹にある葦葉家のひとつ屋根に身を寄せ合って生きる、長崎原爆をテーマとした老三姉妹の
物語でした。

葦葉しを(長女)に中村たつ、葦葉ひかる(次女)に岩崎加根子、葦葉ゆめ(四女)に川口敦子、
父親に河原崎次郎、母親に平田朝音、兄に脇田康弘、被爆者である三姉妹を撮り続けてきたカメラマン
に武正忠明というキャスティングです。

両親と兄、四姉妹の歌声の絶えない温かく穏やかな暮らしがある家でしたが、戦争という出来事が
その幸せを崩していってしまいました。

原爆で命を奪われた三女が、ある時は彼女等の行動を縛ったり、またある時は励まし慰めたりと、
今尚くっきりと共に生きているから四姉妹となっているのでしょうね。

三女の供養の為に購入したピアノに合わせて唄う「琵琶湖周航の歌」
われは湖の子 さすらいの 旅にしあれば・・・・・懐かしかったです。

「わたし達の毎日には一度だって八月九日が消えたことがなかと―」
被爆者たちの心身ともに過酷な運命は、観る者の心に突き刺さってきてとても辛かったです。

次女ひかるが自分が隠し続けてきたつらい過去を吐露する場面は圧巻でした。
車いすにすわったままで、ひかるを演じ切る岩崎加根子の名演技には、涙が止まりませんでした。

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