おはようございます。
生き生き箕面通信1935(140410)をお届けします。
・問題の核心である「STAP細胞」の有無について「だんまり」を決め込む理研――混乱の元凶は理研
小保方会見一色の一日でした。昨日4月9日は、朝からテレビが、「午後に小保方氏会見」と繰り返し伝え、午後からも「STAP作製200回以上」などと、どのチャンネルも何回も同じことを報道していました。
それだけ世間の目が集まっているのですが、結局、「STAP細胞が有るのか、無いのか」は明らかになりませんでした。今朝の大手紙も、トップ見出しは朝日新聞も、読売新聞も「論文は撤回しない」とするだけでした。
この混乱のもとは、理研にあると断じざるを得ません。
大発見ニュースの後におかしくなったのは、理研が論文に不正があると言い始めてからでした。「写真に間違いがある」など、いくつかの不備を指摘し、小保方論文を「ねつ造」あるいは「改ざん」と決めつけ、理事長は論文撤回を勧告しました。
おかしいでしょう? 普通なら、自分のところの研究者が大発見をしたのなら、他社からの批判や中傷に組織を挙げて反論し、味方を守るべきはずのところです。それが、組織を挙げて、否定に回っている構図です。
昨日午後の記者会見から夜半まで半日の時間があるのだから、理研は会見を受けて何らかの反応を見せる場面であるにもかかわらず、黙して語らず、いわば「無視」とも取れるような奇妙な態度に終始しました。
とくに釈然としないのは、理研が、「STAP細胞の有無」については、「調査の対象外」という態度を続けていることです。これだけの問題であれば、「STAP細胞が有るのか、無いのか」さえ明らかにすれば、問題は収束するはずです。だから、理研には全精力をつぎ込んででも、STAPの有無を明らかにする義務が有るはずです。ところが、理研は意識的に触れないようにして、逃げています。
ノーベル賞受賞者を理事長にいただき、日本の最高水準の研究者が集まっている理研こそが、ポイントをきちんと説明せず、意識的に外していることから、混乱が解消されないのだと言わざるを得ません。理研は明らかに、何らかの思惑をもって「STAPそのものには触れない。有るとも無いとも、あいまいなままにして、小保方一人を葬り去る」という作戦に見えます。
なぜ、理研は、小保方さんの記者会見を受けて、肝心の「STAPの有無」について、明確な見解を明らかにしないのでしょうか。論文共著者は複数いるにもかかわらず、小保方さん一人をスケープゴートにするやり方が見えます。
理事長の野依良治氏も「論文の撤回」を勧告する方針を変えていません。
仮に論文が撤回されれば、小保方さんの「STAP細胞発見」という”偉業”はなかったことになり、ゼロに戻ります。そのあと、少し手を加えてほとんど同じ内容の論文を出して認められると、成果は新しい論文提出者のものになります。
今回の一連の”事件”は、「STAP細胞の盗み取り」が本筋のように見えるのです。今後、理研は小保方さんに対し、「論文はねつ造。研究費を返却しろ」という”処分”に出るのではないでしょうか。
事実をもとに理詰めの論議で進められなければならない科学の研究分野で、「特許と巨額のカネ」がからむと、ノーベル化学賞受賞者も判断がゆがむのでしょうか。
小保方晴子さんという一科学者をトカゲのしっぽ切りで処分して済ますのではなく、「ファクトはファクト」として認めるまともな国であってほしいものです。
会見後は、「200回も成功したのなら、その実験ノートを明らかにせよ」とか、「第三者で成功した人がいるなら、その第三者の氏名を公表して、その人の内容を表に出すべきだ」などがメディアでかまびすしい。
理研は、自分たちの利権のためには、多少の正義感を持つまともな研究者は邪魔なようです。