生き生き箕面通信

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1954 ・「女性の貧困」で、なぜ「生活保護」に触れなかったのか――やはり籾井会長の影響?

2014-04-29 08:54:12 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信1954(140429)をお届けします。

・「女性の貧困」で、なぜ「生活保護」に触れなかったのか――やはり籾井会長の影響?

 「女性たちの新たな貧困」が、大きな反響を呼んでいます。若い女性たちの貧困の姿が、衝撃的な映像で報じられました。NHKが放映した一昨日4月27日のリポートです。

 私たち国民のための公共放送機関に求められる報道姿勢が、強く感じられ、大筋では好感を持てました。しかし、残念ながら、消化不良を起こし、大きな疑問と不満も残りました。

 ネットカフェで暮らす姉妹、資格を取るためにいくつものアルバイトを朝から晩までかけもちで頑張っている女性、育てるおカネがないために生まれる前から子どもを手放す決意をせざるを得ない若い母親――。

 彼女たちは、例えば朝5時から働き、食べるものを切り詰めてつつましやかに暮らしています。「働くのは嫌いじゃない」と、真面目に仕事に向かいます。それでも暮らしは楽にならず、食費は一日500円、あるいは一日一食で我慢する例も。月収は15万円以下、年収が150万円以下の若い女性が増えている。

 本来なら、ここでセーフティーネットとしての「生活保護」など政府の社会保障政策に触れる場面です。ところが、ほとんど無視。生活保護にいたっては、全く触れられませんでした。

 番組を制作するNHKのディレクターやキャスターが揃いもそろって気がつかなかったはずはありません。意識的に避けたと推測できます。あるいは、取材の予定には入っていたが、何らかの圧力があって、断念せざるを得なくなったか。おそらく後者でしょう。

 政府は、生活保護を3年間で10%削減すると決め、昨年から実施しはじめました。戦後最大の引き下げであり、歴史的大改悪といえます。引き下げの理由として、「デフレで物価が下がった」を挙げていますが、下がったのは主としてぜいたく品です。

 他方、大企業向けには、法人税を減税しようとしています。大企業は200兆円を超える内部留保を抱え、もうかっているというのにです。

 安倍政権は、富裕層中心の日本をつくり、貧しい者は生活が苦しくても「仕方がない」という態度です。少なくとも貧しい者への温かさがありません。貧困問題の中で、NHKが「生活保護」に触れれば、勢い政権批判とならざるを得ない。

 安倍氏が送り込んだ籾井というNHK会長は、安倍政権の支持率アップを自分の役割と割り切っているようです。ディレクターに一言、「どうもな」と首をかしげてみせるだけで、下の者は従わざるを得ません。

 「新たなる貧困」という折角の好企画が、台無しになりかけた。「籾井会長が4月中に辞任しなければ、さらに不払いを続ける」という申し渡しをしてから、残すところ明日1日だけになりました。どうやら、もっと強い不払い運動を盛り上げる必要があるようです。