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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1683 ・「ナチスに学べ」の麻生発言と慰安婦少女像――世界に恥をさらす日本政治家の歴史認識

2013-08-01 07:02:09 | 日記

おはようございます。
生き生き箕面通信1683(130801)をお届けします。

・「ナチスに学べ」の麻生発言と慰安婦少女像――世界に恥をさらす日本政治家の歴史認識

 首相の立場にある安倍晋三氏にしろ、副総理の麻生太郎氏にしろ、歴史認識のお粗末さには頭を抱えてしまいます。日本のトップリーダーの位置にありながら、その歴史認識は世界の常識から遠くはずれ、トンチン漢。そのこと自体が認識できないから、事態は深刻。ますます混迷していくばかりです。

 麻生氏は、おそらくこう釈明するのでしょう。「私の真意は、憲法改正の作業は静かな(冷静な)環境の下で進めるべきだ。わーわー、騒がしい雰囲気のなかでやるべきではないというところにある」と。もしその文脈なら、どうしてヒトラーが出てくるのか。

 それにしても、「いつの間にかワイマール憲法がナチス憲法にすり替わっていた。だれも気付かないで変わっていた。あの手口に学んだらどうかね」というのは、間違いだらけで、恥さらしも極まれりです。

 間違いの最たるものは、「だれも気がつかないうちに変わった」という誤謬です。ヒトラーは、自国の国会に火をつける放火事件という陰謀をやらせ、これを共産党など反対勢力の仕業と宣伝して、反共ムードを盛り上げたうえで、ヒトラーに全権を集中させる「全権委任法」を成立させ、立法、司法を含む全権を握ったのです。

 ワイマール憲法はそのまま存在するのですが、機能停止、憲法停止にしました。国会も存続していたのですが、この機能も停止し、法律はヒトラーしか作れない制度に変えました。

 誰も気がつかないどころか、国民の目の前で堂々とやってみせました。ただ、その前に国民の頭を得意の宣伝戦で洗脳し、「ヒトラーのやることはすべて正しい」と思わせる空気を作り、「ハイル・ヒトラー、ハイル・ヒトラー」の熱狂ムードに巻き込みました。ヒトラーは、宣伝にかけては超一流。大がかりな集会に国民を動員し、集団催眠にかける術師だったのです。

 その挙げ句に、ユダヤ人を含め、他国の多数の国民を虐殺しました。ヒトラーに学ぶとしたら、「ヒトラーのようにしてはいけない」というのが、世界の歴史的教訓のはずです。それをわざわざ、「ヒトラーに学べ」と発言する。どれほどアホなことか。かつて麻生氏は「未曾有」を、「みぞうゆう」と間違って読み、やさしい漢字も読めない総理として名をとどろかせました。今回は、歴史についても音痴であることが明瞭になりました。

 アメリカの西海岸、カリフォルニア州に韓国系民間団体の手によって、従軍慰安婦の少女像が設置され、一昨日7月30日に除幕式が行われました。安倍首相はかねて、「慰安婦は強制連行された文書は見つからなかった」と発言し、だからいわゆる慰安婦問題は作り話だという趣旨で通そうとしています。

 本日の読売新聞も、この問題を取り上げ、「憂うべき米国での『反日』拡大 強制連行巡る誤解を正したい」という見出しで大型社説を掲載しました。この社説が言っていることは、安倍首相と同じく「強制連行はなかった。慰安婦問題は解決済み」ということです。

 そして、問題解決ができない背景には、「河野談話がある」とし、「『性奴隷』との曲解を是正するためにも、20年前の河野談話の見直しが欠かせない」と結論づけました。何という、とんちんかんな社説!

 日本軍の慰安婦施設は、極めて組織だった軍の管理下で行われ、「性奴隷」という表現に値するという認識が世界に広められました。これに対抗するには、まず性奴隷とされた人たちへの誠実な謝罪と賠償をするところから始める以外にないのではないでしょうか。日本側は、この謝罪と賠償がイヤだから、なんだかんだとごねている、と見られてしまっています。それが、韓国はもちろん、アメリカなどのいわば世界の歴史認識となってしまったのです。

 日本は、「原発事故の情報も隠す、薬のデータも改ざんする、信用できない国」というところまで、評判はボロボロです。すべて政治がもたらした結果と言えます。

 8月15日は、敗戦の日です。どうしてこんな結果になったのか、もう一度日本の現代の歴史をひもとき、きちんとした歴史を学び直す必要がありそうです。正すべきは正すという誠実な姿勢が欠かせないはずです。