おはようございます。
生き生き箕面通信1697(130815)をお届けします。
・「不戦」を改めて誓う。話し合う力をより高めたい――68回目の敗戦の日
平和な状態を日本はともかく68年間続けてくることができました。この間、戦いではひとりの犠牲者も出していません。世界的にも稀な「記録」です。この貴重な平和の状態は、今後も維持し続けることができるでしょうか。
安倍首相は、「わが国の領土は守る。1㍉たりとも奪われることはない」と、力説しています。仮に、中国人が尖閣に上陸すれば、「実力」で排除する。その前に「実力」で上陸を阻む。そうした決意を内外に示したものでしょう。この場合の「実力」が「武力」であることはもちろんです。
日本の自衛隊の戦力は、世界第4位とされています。多くの日本人が知らない間に、本当にいつの間にか、世界トップクラスの戦力を保有しているのです。このいつの間にかトップクラスの戦力を持つやり方は、麻生副総理が説く「ナチスに学ぶ、静かなやり方」そのものです。
平和憲法のもとで、つまり戦力不保持、戦争放棄を明記した憲法のもとで、そっと国民に知られないようにしながら「実力」を蓄えてきたのです。
そして、「侵略の定義は定まっていない」と主張し、日本が侵略して迷惑をかけたという近隣諸国への謝罪(河野談話、村山談話)を手直ししようともくろむ安倍首相。いったん双方が受け入れたはずの「歴史認識」を一方的にちゃぶ台返しする行為です。安倍首相の子どものような英雄気取りであり、日本のなかで頭をもたげてきた右翼的ナショナリズムに迎合するポピュリズムです。
このまま安倍総理が突っ張り続ければ、一発即発の事態へ迷い込む心配が強まりました。さすがにアメリカも、事態の鎮静化へ向け、安倍首相に中韓両国との緊張緩和を”指示”しました。これには安倍首相もあらがうことはできず、本日8月15日の「靖国参拝」は不承不承、見送らざるを得なくなりました。
大手紙の本日の社説は、どう主張しているか。まず、読売新聞の見出しは、「中韓の『反日』を憂える 歴史認識問題を政治に絡めるな」でした。そして、「中国は国内の統一を維持するために、韓国は国内の政治状況を有利にするために、『反日』を利用している面がある」と書きました。
こんなそっぽを向いた、お粗末な認識では、かえって問題を混乱させるばかりではないでしょうか。読売の認識は、「中国、韓国とも、国内の政治状況を有利にするために、『反日』を使っている。本当は、日本がやっていることは正しいのだ」というものです。これでは、たとえ話し合いの場が設けられても、建設的な話し合いは期待できません。
先の大東亜戦争(太平洋戦争)では、日本人だけで310万人が、海外でもそれを上回る人が犠牲になりました。
だから、「二度と戦争はしない。戦争をしないために、戦力は持たず、交戦権も放棄する」という憲法を受け入れました。
それを怪しくしようとしているのが、安倍政権です。「集団的自衛権を実際に使えるようにしよう。あわよくば、9条も替えてしまおう」と。
今日は、敗戦の日。二度と戦争はしない。戦力も持たない。交戦権(集団的自衛権)も放棄する。改めて初心に立ち返り、紛争はすべて話し合いで解決する、そのための「話し合い力」を高める努力を求めたいものです。