おはようございます。 生き生き箕面通信1540(130311)をお届けします。
・震災2年で見えてきた自民の一人勝ち
あの大震災と原発事故がこの2年間にもたらしたものは何だったのでしょうか。結論からいえば、自民党の潮流が日本中を覆い、その後ろに控えるアメリカの影響力がより大きくなったということだったように見えます。この流れが日本の歴史にもたらすものは、「裕福な1%がより裕福に、恵まれない99%がより生活しづらいアメリカ型社会」への転換であり、「日本型社会の消滅」ではないかと想定します。
大地震・大津波と原発事故に対応するには、政権交代したばかりの民主党には荷が重すぎました。しかも、検察がねつぞうした「小沢排除」が見事に日本社会に浸透し、結果的には自民党が国家権力を確固として掌握できました。今年7月の参院選でも、自民の一人勝ちは間違いないとの見方が大勢を占めています。野党と呼べるような勢力はほぼ消えさるような状況すら予見されています。
そうした政治状況は「大政翼賛型政治」であり、それがもたらすものは、自民党念願の「憲法の改定」だといえそうです。天皇を元首とする君主制の方向です。主権在民や民主主義は大幅に制限され、「お上が民を統べる社会」であり、つまるところ「官僚政治」です。それを別の面からみれば、アメリカを盟主としアメリカに朝貢する「ポチ公・ニッポン」の姿でもあります。
脱原発の「草の根パワー」は、どこへいったのでしょう。たしかに本日3月11日には各地でデモや集会が開かれるでしょう。しかしそれは権力を握っている者には、「庶民どものガス抜きになってちょうどいい」くらいでしょうか。
こんな状況になっている大きな原因の一つが、戦後の労働組合運動の変節です。「連合」という最大の労組組織は、働く人々の味方というよりも「労働貴族」として既得権益勢力の一部になりきっています。連合の中で大きな力を持つ「電力労連」は電力会社の労働組合であり、原発維持・再稼働の有力な勢力です。だから連合は、脱原発には動きません。
連合は、護憲勢力としても頼りにはなりません。第一、働く者の権利を守ることすらサボっています。働く人たちの賃金を上げる、いわゆる「春闘」においても、賃上げ要求すらおずおずとといった体たらくで、安倍首相が経団連に「賃上げ」を団交する状況です。
こんな状況になっている大きな原因は、実は私たち有権者がそれを許しているからとも言えます。既得権益勢力とマスメディアの連合軍にやすやすとマインドコントロールされ、選挙では結局、自公勢力に大勝ちを与えています。本当はそれほど票を入れているわけではないけれど、選挙制度の欠陥もあって大勝ちさせています。
根底には、私たちの権利意識の希薄さがあり、民主主義の体得度の低さがあるように思われます。その代わりにあるのは、お上への「お任せ主義」です。「お上がなんとかうまくやってくれたらいいな」という、ノーテンキともいえるお上任せです。自分の頭で考えて、自分の選択に責任を持つという「自立」が、なかなか現れて来ません。この自立した私たちの数が大勢に影響を与えられるようにならないかぎり、お上にいいように切り盛りされるのに甘んじるほかなさそうです。この流れは、震災直後は少し変わるかに見えました。しかし、2年後のいま、ほとんど何も変わらなかったような印象を与えています。
しかし、大震災と原発事故は、本当は何かをもたらしたはずです。何かが私たちの中に残っているはずです。その何かを探る日として本日を生かし、明日からのエネルギーにしたいものです。自民党が一人勝ちの状況を、いつ、どこで私たちは転換させられるか、それを問いなおす一日としたいものです。