生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1543 ・「安倍首相の改憲論には反対」と、朝日新聞社説が宣言

2013-03-14 07:00:58 | 日記

おはようございます。                                                                           生き生き箕面通信1543(130314)をお届けします。

・「安倍首相の改憲論には反対」と、朝日新聞社説が宣言

 「この改正論には反対だ」と、朝日新聞が昨日3月13日付けの社説で宣言しました。憲法改定要件である96条を現在の「衆参両院でそれぞれ総議員の3分の2」から「2分の1」に改めようとしている安倍首相の最重要案件に、真っ向から異を唱えたのです。さらに「平和条項を盛った9条の改正で合意するのは難しい。だから、まずハードルを下げようというのだとしたら、邪道というほかない」と、ばっさり切り捨てました。

 これに対し読売新聞は、改憲推進を明確にしています。3月4日の社説では、「憲法96条 改正要件緩和が政治を変える」というタイトルで、「安倍首相は……まずは多くの党が賛同できる96条から改正に取り組む考えを示した。現実的で妥当なアプローチだ」と、ハードルの引き下げを評価しました。そして、「この13年間だけでも、スイスは23回、ドイツは11回、フランスは10回も憲法を改正している」と、まるで頻繁に改憲する方がいいといった、お粗末な論を恥ずかしげもなく展開しています。

 読売新聞は、「ハードルをなぜ高くしているのか」という基本中の基本がまるで分かっていません。憲法はそもそも、だれのためにあるのでしょうか。国の権力者、つまり為政者の手をしばるためにあるのではなかったですか。かつて、イギリスでも、フランスでも、国王あるいは君主が権力を横暴に揮ったので、革命などを経て「憲法」をつくり、権力の行使を規制することにしたのが、憲法のはじまりです。

 それを、読売新聞にいたっては、憲法を改正しやすくして権力者が思う方向へ持っていきやすくしようというのです。それは、4日付けの社説が、改正回数を挙げながらも、アメリカでも、ドイツや韓国でも改正手続きは「3分の2」を維持していることは隠したままだったことにも表れています。「3分の2」を維持しながらでも改正ができているということは、それだけ議論を尽くし、国民の納得を得る努力をした結果なのでした。そうしたことには触れず、「何回も改正しているではないか」という論法は、まさに自分に都合のいいところだけをつまみ食いして、論を捻じ曲げて平気な「床屋談議」の域を出ず、とても「社説」のレベルとはいえません。

 読売は支配される者、庶民の立場ではなく、権力者側の、力を振るう側の立場に有利なモノに変えようとしているわけです。読売新聞は、かつての”庶民の新聞”からすっかり姿を換え、いまや権力者側の御用新聞になり果てたといえます。渡辺恒雄という主筆がワンマンのボスにおさまってから、権力側の広報機関になり下がりました。

 それはともかく、改憲手続きを簡単にしようとするのは、安倍首相サイドだけではなく、民主党をはじめ野党にも少なくなく、近くそのための「議員連盟」を発足させる運びです。国会議員も、憲法の初歩がまるで理解できていません。

 また、憲法のどこが、あるいは何が都合が悪いから変えようという議論がないまま、手続きだけいじるのは論外も論外、本末転倒です。それでも執ようにこだわるのは、「憲法9条を変えたいが反対が強く容易に実現できない。だから、まずは抵抗が少ない手続きから手をつけよう」という作戦です。

 権力者側のねらいは、現行憲法の「平和主義、人権を尊重する主権在民・民主主義、国連を中心とする国際強調」を根本から変えるところにあります。私たちの次の世代以降の人々は、そんな社会を望むでしょうか。