生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

2593 ・「名こそ惜しけれ」の”武士だましい”――司馬遼太郎

2016-02-15 17:35:24 | 政治

おはようございます。生き生き箕面通信2593(160215)をお届けします。

・「名こそ惜しけれ」の“武士だましい”――司馬遼太郎

 日本人とは?日本人は、司馬遼太郎によれば、「武士という人間像は、日本人がうみだした多少奇形であるにしても、その結晶の見事さにおいて、人間の芸術品とまで言えるように思える」という。すこし誇張があるにしても、そのほめそやかしに、うう~ん。

 昨日2月14日、NHKスペシャルで「『武士』で迫る日本人――司馬遼太郎の思索の道」が放映されました。

 日本は北条早雲のころ、日ごろは農民でありながらいざというときには武士となって働く集団を作り上げた。それまでは、貴族などが土地の一切を持っていたが、農民という武士を土地で預けることにした。その後、江戸中期に秋田藩で栗田定之丞という一介の武士が20里(80㎞)の砂浜を松林で覆うことにし、まずひとりで取り組んだ。それが5年たち、7年たってついに多くの人が参加するようになった。ここに、「多くの人が皆で使えるものにするという『おおやけ』が生まれた」というのだ。

 しかし、欧米列強が植民地をあらそうことになると、その「武士だましい」は明治に入ってから武士から庶民へと受け継がれ、この国を好くしたいという気分になった。例えば、郵便制度。ところが、それが「日比谷焼き討ち事件」で変質。軍部が「統帥権事件」で国の本質をいびつにし、「統帥権」で国を乗っ取った。

 いま、日本はアメリカから与えられた権利として、自由な社会を謳歌しているが、このままではふたたび国が亡ぶかもしれない。とくに、安倍政権になってからは、いかにもこの国の形がおかしい。日本人は倫理観を持ち直して、さらに豊かな倫理に仕上げ、世界に対する日本人を新たしいあり方の基本にすべきではないか。これは、司馬遼太郎の“遺言”なのかもしれない。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マルテンサイト千年ものづくり (サムライグローバル鉄の道)
2024-08-07 14:21:44
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
返信する
この国のかたち (もののはじめのiina)
2018-10-03 09:41:06
「この国のかたち」のNHK番組が、YouTubeに されていました。

「名こそ惜しけれ」とさえ思えば、キリスト教的な倫理体系に、このひとことで対抗できると結びました。


無謀にも、10篇にまとめました。
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/5a49f2f0f673dde220c70383ffd76375


返信する

コメントを投稿