おはようございます。
生き生き箕面通信1193(120315)をお届けします。
・あきれ果てた朝日、読売の増税談合社説
本日3月15日の朝日新聞、読売新聞の社説は、うり二つ、そっくりさん
です。どちらも民主党の増税事前審査を取り上げたものですが、問題は
「増税を催促」するその論理の展開の仕方、その際の用語の用い方が
これほど似通ったものはほとんど見たことがありません。
おそらく、両社の論説幹部の間で話し合いが持たれ、「現在の財政状況
は国難というべき非常事態。この際、合同の増税キャンペーンをやらな
ければならない」という点で合意が成立したのでしょう。
かつて、いわゆる「60年安保」で全国から上京してきたデモ隊で国会が
取り巻かれた時、当時政治記者だった読売の渡邉恒雄氏は、全国紙など
主要7新聞共通の社説を執筆したことがあり、今回もそれにならったもの
と推測されます。
もちろん、この論調の後ろには野田首相と財務省の勝英二郎・事務
次官がいることは想像に難くありません。「消費税増税法案が成立して
も、新聞は増税対象からはずします」という確たる”密約”がなされたは
ずです。読者そっちのけで、国民から召し上げるお上、財務省という
「新大本営」のパシリに成り下がった新聞の情けない姿です。
うり二つの社説の個所は、まず増税の邪魔になる論点として、朝日
は「景気の動向次第で増税を停止できる弾力条項の表現をどうするか
だ」、読売は「法案了承に向けての最大の論点は、景気弾力条項であ
る」としました。今の段階での増税に反対する党内反主流派の小沢
グループが「景気が名目で3%、実質で2%の成長が実現にない限り、
デフレ下での増税は認められない」と強く主張していることに対して、
朝日、読売は「そんなことを言っていられない。ともかく増税すべきだ」と
増税派を応援しているのです。
さらに、再増税の道筋を法案の付則に明記するかどうかについては、
朝日は「まずは消費税10%の影響を見極めるべきだ」、読売は「まずは
10%への増税を最優先するのが筋だ」と、まったく同じ主張で歩調を
合わせました。「ともかく10%増税が先だ」と、「10%増税一直線」です。
そして、結びは両紙とも、野田首相への増税エールとしました。朝日は
「野田首相は先の党首討論で『51対49の党内世論でも、手続きを踏ん
で決めたら皆で頑張っていく』と述べた。言葉通りの覚悟を示すしかな
い」。読売は「野田首相は2月の党首討論で『51対49でも、手続きを踏
んで決めたら、みんなで頑張ることを示したい』と強調した。その言葉を
実践することが大切だ」と。
あきれ果てるのは、両紙の論調が大事な点で意識的に避けたことが
ある点です。本来、増税は社会保障との一体改革だったはずです。
ところが、その社会保障政策の先行きはまったく煮詰まっていません。
だから、いくら足りないのかも見積もりのしようがない。増税などという
大事なことは、「これだけ足りないから、どうかこれだけ増税させてくだ
さい」と筋を通してお願いするべきものです。しかし、朝日、読売とも、
「ともかく増税だ」というばかり。こんな社説がまともな社説といえるで
しょうか。それが一紙だけならまだしも、代表的と自負する二紙が足
並みそろえて”狂調社説”です。
わたしたちは、幼稚な政府を持っただけでなく、異常な新聞を持って
しまったものです。日本列島を、虚しい風が吹き抜けていきます。
ブログの内容はおおむね賛同できますが、特にこの大手メディアがもたらす弊害には私も怒りを覚えますので、ここに書き込ませていただきました。これからはたまに立ち寄るかもしれません。どうぞよろしく。