地を這う百日紅 (さるすべり)
最近知ったこと。 百日紅 (さるすべり)には地面派がいるんだと。
濃い「ライラック」色を、蒸し暑い亜熱帯のぬっぽん本島を、彩る百日紅 (さるすべり)の存在は、以前からおいらも知っていた。
観察力に溢れるおいらは、百日紅 (さるすべり)には、「紅」(=濃いライラック色)ばかりでなく、白もあると気づいていた。
そして、最近知ったさ。
百日紅 (さるすべり)はお天道さまに向かって、垂直まっすぐに伸びるものばかりでなく、地を這う百日紅 (さるすべり)もいることを。
やはり、観察力は重要だ。
■ 地面師と呼ばれた日
最近のニュースで、「地面師」が出て、驚いている Googleニュース [地面師]。
日常社会の公式場面で「地面師」という言葉が現実に使われているのを、生まれて初めて、経験した。
おいらは後述する経験から、日常社会の公式場面で言っちゃいけない隠語だと思っていた。 「地面師」。
ところで、学術はあまたの分野に分けられている(←トートロジーですね)。
ところで、学術はあまたの分野に隔てられている。
昔、西部邁が、大衆社会の病理=学術の病理を語ったとき、隔壁化= compartmentalization を嘆いていた。
なお、上記「昔」は、隔壁が破れたあの日航123便の事故の後のことではあるが。
scienceの訳語は「科学」である。その翻訳者がその時もった意識は、scienceは百科の学であるということであろう。百科というのは、多くの科という意味だ。そして、「科」としてそれぞれの学問分野を区別しなければいけない理由は、多くの「科」のそれぞれでその「科」を極める訓練方法が違うからだ。それぞれの訓練方法でそれぞれの学問を究めるのだ。その事情を端的にあらわした英語の言葉が、disicplineに他ならない。
disipline = 訓練、鍛練、修養、教練、訓練法、修業法、(鍛練で得た)抑制、自制(心)、克己(こつき)、しつけ
== 可算名詞 学問(の分野); (大学の)専門分野,学科.
こういう背景で、研究者=「専門バカ」はお互い話が通じない。
もちろん、おいらもある科の「専門バカ」(しかも、崩れ)である。
そのおいらの科 (disipline) は、「世俗」での人口はとても少ない。例えば、おいらが今、つんぐんろうどうしゃ(賃金労働者)として働いている売上高数兆円、従業員数万人、その中の研究開発業務従事者数千人の中で、おそらく、おいらのdisiplineと同じ研究者はいないと思われる。
そんなおいらの約20年前のポスドク時代、「実学系」の研究所 (つくば です) で口に糊した。その「実学系」の研究所の黒幕研究者(業界ボス::その時は大学に転出して教授さまだった)はその「実学系」の研究所に遊びに来た時、ポスドクのおいらを捕まえて、おいらの出身disiplineをきいて、しゃれっけたっぷりに、「なんだ、おまえは、"地面師"か!」とおっしゃった。 ある種の inter-disiple的出来事だった???
もちろん、ものを知らないおいらは、「地面師」という言葉を生まれて初めて聞き、その意味も知らなかった。ただその会話の文脈は、その「実学系」の研究所の disipline とは違うおいらに「期待」する気持ちと「怪しいやつだな」という気持ちが溢れていた。
「地面師」という言葉の意味も、直観的に、「理解」できた。なぜなら、おいらの disiplineは、隠語で「山師」と呼ばれていたから、「地面師」という言葉の意味は、容易に、推定理解できた。
その時の理解は今回の報道となって得られた「地面師」の意味と大差ないと今は言える。
当時、何でも検索できるネット環境もなく、その会話の文脈から「地面師」の意味もなんとなくわかった。
もっとも、おいらがカナダにいた時、Bre-X(ブリ・エックス)鉱山事件というのがあった。だから、「地面師」とはこういう詐欺師とその時は了解していた。
おいらが、ネットで、いか@様野郎を自称する以前の話だ。