いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

昭和12年の「麻垣康三」

2006年03月01日 21時17分18秒 | 日本事情

昭和12年の「麻垣康三」

昭和12年、広田内閣総辞職の後、元老西園寺公望は首相に宇垣一成を推薦、大命が降下した。つまり、元老が推薦して天皇が、「おまい、首相やれ」といった。が、陸軍中堅層が反対し、結局組閣できず宇垣内閣は幻のものとなった。それを知らせるのが上記紙面。

おとろしいことに、陸軍中堅層は天皇の命にケチをつけたのである。具体的には軍部大臣現役武官制のなせるわざである。陸軍の現役軍人が全員陸軍大臣になることを断れば内閣は成立しないということ。そして実に後に首相となる小磯国昭などみんなが大臣就任を拒否。宇垣内閣流産。まさに、この新聞の日、日帝の地獄へ転げ落ちる何度かの記念日のひとつではある。

官僚の「主権者」無視は戦前・戦後を問わず近代日本の本質にほかならない。