こんにちは、三年目の千里です。
不思議なもので、代替わりをしただけで責任感が増したような気がします。特に二年生たちには目覚ましい何かを感じますね。新人戦の運営を経てより主体的になったんじゃないでしょうか。金谷なんて私よりロジカルでボートに熱を入れているし、スタッフ陣は怖いほどしっかりしているのでふざけてるとそろそろ怒られる予感がしています。
一年生とはまだ互いのことを全然知れてはいません。が、みんなポテンシャルあるし技術レベルもいいペースで高まっていると思います。冬練でどこまで伸びるかが楽しみですね。
そんなこんなで、最上級生らしく部活について考える時間がとても増えたのですが、今の私の考え事のテーマは「部活の良さとは」です。そもそも論が大好きなので。
“~な経験ができたから部活をやっててよかった。”
そういうOBOGが多くても、過去形って文字通り事後的なものなんですよね。部活をやる大きなメリットを現役時代に実感できないってモチベーション維持にもったいないことだなあと思います。だからこそ頭でだけでもわかっていたほうが少しでも役に立つんじゃないでしょうか。
なので、私にとっての“部活の良さ”ってなんなんだろうって考えてみました。深堀すれば理解が深まるかと思いまして。文章にするのには時間がかかりましたが、結構自信のある考えです。特に上級生がこのテーマについてどう考えているのか結構興味あるので、これを書くことで誰かが教えてくれればいいな。てか教えてくれよ。概念的な話って人間性が表れる気がするので、ほかの人がそういう話をしているときワクワクするんだ。
さて、私の考えは「自分軸の生き方を学べること」にあると思います。
難しい言い方をしてしまいましたが、「アイデンティティが生まれる」と同義で、そっちのほうがわかりやすいかもしれません。
というのも、この現代社会で自分の価値観で生きることって難しいことだと思うんです。
例えば、どんな人間だってよりよい環境にあこがれるじゃないですか。
地位・名声が欲しい。
健康になりたい。
美味しいものを食べたい。
とか。
でも文明・文化が発展しまくった今日、価値観(=良し悪し・善悪・可不可の基準感覚)なんて自分で考えなくても、世間では既に決まっているものです。
地位・名声が欲しいならあの有名大学に入ればいいよ。
健康になりたいならこういう習慣をつければいいよ。
美味しいもの食べたいなら食べログ調べればいいよ。
わざわざ自分が一から学ぶ必要もないのは非常に効率がいい。便利な世の中”の代表例ってこういう価値基準の一般定着だと思う。
自分の価値観で生きるのは難しいといったのは、このように既に世間が価値観の答えを持っており、それに頼るだけで生活に一定以上のクオリティが出せるからです。そして、その生き方は他人軸の生き方と言えるでしょう。
しかし私が疑問なのは、世間の価値観を受け入れるだけでいいのだろうかという点です。
“アイデンティティの危機”っていう言葉って知っていますか。ざっくりいうと、自分らしさを確立できず、「自分は何者か」という問いに悩み不安に陥ってしまう状態のことらしいです。
倫理政経の授業で学んだときは何のことだか全くわかりませんでしたが、この価値観の話と近い話なんじゃないでしょうか。
簡潔に言うと、他人軸の生き方ばかりしていると世間の価値観の平均値みたいな人間になり、せっかくの個性も日の目を見ず、周りの人間と自分をうまく差別化できない状態のことを指している言葉なのではないかと。自分で何も考えず正解を選び続ける人生だとそりゃあ不安にもなるなぁ。
ならば、他人軸(世間の価値観)だけでなく、自分軸(自分で決めた価値観)で生きている実感がなければ、どれだけ正しくても充実感は得られないのではないか。それこそ「アイデンティティの危機」に陥ってしまうのではないか。
じゃあどうやったら自分軸で生きられるようになるのか。
自分軸とは、自分の価値観の積み重ねのこと。だから、日々新しい価値観を得ることが必要だ。
新しく価値観を得るとは、何かを大事だと思えるようになること。そのためには何かに努力して向き合うしかないんだろう。
毎日何かに努力していれば必ず壁にぶち当たる。
いろんな打開策を考えて、やがて壁を越えていく。
効果のあった打開策には、必ず何か大事な本質が含まれている。
本質を掬いだせたとき、それは自分の価値観として初めて形を成す。
このサイクルを回し続けることが大事なんだろう。
ここでやっと部活につながるが、部活動って無条件で“努力する環境”を与えてくれるものだと思う。部活さえやっていれば、今まで話した過程を全部体験できる。努力すべき課題なんて無限にある。きっとその結果得られるのは無敵のアイデンティティなんじゃないか。
確かに努力なんて部活じゃなくてもできる。
でも、一人で資格の勉強を頑張るのも良いけど、部活は仲間がいるからもっと頑張れるかもしれない。
バイト頑張るのもいいけど、収入が絡まないから部活のほうがより純粋に自分に向き合えるかもしれない。
自分らしさを見つける。そういう概念的なことってなかなか理解しづらいけど、やはり部活こそ自分軸を見つけるには一番早い。それに、部活で見つけた自分軸がどこにでも役に立つとは限らないけど、大学生のうちにそれを見つけられれば、自分らしさの原点を作ることができる。そういう人ってどこへ行っても何をやっても強くなれる気がする。
そう思えるからこそ、部活の良さって「自分軸の生き方を学べること」にあると思うのです。
ちなみにね、世間の価値観って結局自分の価値観と一致していることが多いはずです。だって世間の価値観って言わば国民の総意なのだから。ごちゃごちゃ長く書いてしまいましたが、要は自分で考えて生きることも大事って話です。
みんなはどう考えるかな。全く違う考えの人がいたら面白い。賛同・反論待ってます。
以上