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8月10日、古い倉庫を始末し、新しく設置した際、古い倉庫から出てきた本の一。
ひたすら時刻表を読み解き、列車で通ったことのない線区の列車にただ乗るだけ、名所見物もグルメもない馬鹿みたいな旅だが、ショーペンハウアーも言うように、愚行も徹底すれば偉大に至るのである。
多忙な仕事のあいまを縫って旅するのだが、しなくても害はないけれどやりたいからやる。忙しいのか、余裕しゃくしゃくなのか、よくわからないが、目的だけは明快で、それを達成する意思は堅固。とにかく、読んでいるだけで自分も作者になり代わって鉄道旅行をしているような気分にさせられる。
今後ぜんぶを再読することは多分ないが、処分する気になれない。
□宮脇俊三『時刻表2万キロ』(河出書房新社、1978/河出文庫、1980)
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