語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】スマホは首の高さで ~身体不調の対策~

2017年10月05日 | 医療・保健・福祉・介護
 スマートフォンや携帯電話を使うときは、どうしてもうつむきがちの姿勢になる。こうした姿勢が一因となり、さまざまな不調が起こるのが「スマホ首」。背骨や首の骨に負担がかかり頭痛や肩凝り、寝違えなどの原因になるという話だ。「ストレートネック」ともいうようだが、これは医学用語ではない。本当に頸椎(けいつい)が変形するのかどうかは定かではない。
 ただ、うつむいている時間が長いと肩凝りの原因になる。また、姿勢の悪さはおなかがぽっこりする体形にもつながる。下ばかり向いていると目の下などの筋肉がたるんでしわができやすくなるし、口角が下がったままだとほうれい線ができやすい。顎のたるみが気になる中年以降は、二重顎にも注意したい。
 とはいえ、毎日の生活の中で日常化したスマホの使用は、なかなか減らせないだろう。せめて、少しでも良い姿勢を保つために、スマホを持った腕を目の高さにまで上げる習慣をつけるのはどうだろう。「腕が疲れる」と思うかもしれないが、それもまた二の腕のたるみを予防してくれる。

□南雲つぐみ(医学ライター)「スマホは首の高さで ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年9月27日)を引用
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【独学】を今こそ始めよう! ~東大教授が勉強のコツを伝授~ 

2017年10月05日 | 心理
Q1 独学のメリットは?
A 独学の良い所は、自分の空いている時間に、自分のペースで勉強できるということです。
 (中略)独学をしていてしばしば起きる間違いは、全部を均等なペースで勉強してしまうこと。分からなくて時間がかかる所はすっ飛ばし、すぐ理解できる所にも均等に時間をかけてしまうと、分からない所は分からないままになり、もっと速く進める所で時間を浪費することになる。
 それぞれの人に合ったペース、それぞれの科目に合ったペースで学ぶことがとても大事です。

Q2 自身の独学経験は?
A (中略)ブラジルでは、大検を目指して独学しました。教材として使ったのは、日本の参考書や問題集です。日本の参考書は解説がとても分かりやすく、よくできているので、一人でも勉強しやすかった。ただ、1冊だけでは理解できないこともあるので、日本からブラジルに行くときには、各科目について3冊くらい参考書を買い込んで船便で送りました。(中略)

Q3 意志が弱くてもできる?
A (中略)では、続けるにはどうすればいいか。
 僕の場合は、目標の3割ぐらい達成できたら上出来だと考えてやっていました。だったら目標を最初から下げればいいと思うかもしれませんが、僕の場合は、目標を3割に下げたら、今度は下げた目標の3割でよしとしてしまう(笑)。だから、目標は高めにしておくくらいでちょうどよかった。(中略)
 社会人が忙しい中、ちょっとずつ時間をつくって勉強するのですから、そんなにきちっとできるわけがない。できないときはできないでいいし、時間があってやる気になったときに進めればいい。

Q4 本はどう読めばいい?
A 本を読むことは、本の内容を覚えて、知識として頭の中に入れることだと考えがちです。しかし今必要とされているのは、単に書かれていることを覚えるのではなく、書かれていることを通して、自分がどう考えているかという自分の思考を深めていくことなんです。
 今の時代、知識やデータはタブレット端末1台で持ち運べてすぐに取り出せる。情報を頭の中に入れ、字面を暗記することには意味がありません。
 では、どうすれば読書によって思考を深めることができるのか。
 大事なのは、書いてあることをうのみにせず、疑ってかかることです。書いてあることを素直に受け取ってしまうと、それ以上思考が深まらない。あえて疑い、あえて反論してみる。自分で考えながら批判的に読むことが重要です。(中略)
 僕の場合、本を端から端まで全部読むことは少ないかもしれません。途中でやめることもありますし、必要な部分だけを読むこともある。本を読むのはあくまで自分の思考を深めるためで、全部読むことが目的ではないと割り切っているからです。極端なことを言えば、1ページだけでも自分にとって重要なことが得られれば、その本を読む価値はあったと考えればいいのです。

Q5 独学で大事なことは?
A 独学に欠かせないのは、学んだことをアウトプットすることです。
 勉強した内容を単にコピペしたり要約したりするのではなく、自分の言葉で書き出してみる。そうすると、あやふやな所や、分かったつもりで意外に分かっていない所がはっきりしてきます。
 また、人に説明するのも良い訓練になります。説明を聞いてもらうだけでいい。自分がよく理解していないと、相手に易しい言葉で説明することはできません。書き出してみるのと同じで、人に説明することで、どの辺りが分かっていないのか、どこを学び直せばいいのかが見えてきます。

Q6 独学を続けるコツは?
A 僕にとって有効な方法は、複数の学習を並行して走らせておくことです。
 一つのことだけに集中してしまうと、それがうまくいかなくなったとき、すごくストレスがたまって挫折感を味わうことになる。そこで心が折れてしまうことがあるんです。
 でも、三つ四つ学習テーマを持っていれば、一つが駄目でも別のテーマがうまくいってくれることもある。それで、気持ちのバランスが取れて落ち込まずに済みます。
 逆に、一つのことが気持ちよく勉強できると、うまくいっていなかった別のことが、すんなり理解できたりするんですよ。
 よく人から「独学で分からない所が出てきたらどうすればいいのですか」と聞かれます。答えはシンプルで、取りあえず飛ばせばいい。先に進んでから後で戻ると、意外と分かるようになることも多いんです。何でもいっぺんに理解しようとせず、焦らずに時間をかけることも必要です。(後略)

□柳川範之(東京大学大学院経済学研究科教授)「東大教授が勉強のコツを伝授/今こそ独学を始めよう! ~特集「独学力」~」(「週刊ダイヤモンド」2017年10月7日号)を一部引用
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 【参考】
【独学】力が今、なぜ必要とされているか? ~学習量の足りない日本のビジネスパーソン~




【独学】力が今、なぜ必要とされているか? ~学習量の足りない日本のビジネスパーソン~

2017年10月05日 | 心理
 (1)日本のビジネスパーソンは、海外と比べて圧倒的に学習量が足りない。
 侍留啓介・『新・独学術』の著者は、海外でMBAを取得後、米マッキンゼー・アンド・カンパニーで経営コンサルタントとして働き、数多くの海外エリートたちに接してきた。その過程で痛感したのが、彼らと日本のビジネスパーソンとの学習量の違いだった。
 その背景は、日本と欧米の雇用環境の違いだ。
  (a)欧米・・・・仕事の内容に応じて給料を支払う「職務給」。だから能力が上がればより高い職務に就くことができ、その分給料も上がる。それ故、絶えず学び続ける。
  (b)日本・・・・個人の職務遂行能力で給料が決まる「職能給」。一般的に職務遂行能力は勤続年数で決まる。事実上、年功序列賃金だ。従って、勉強してキャリアアップしようというインセンティブが働きにくい。

 (2)だが、今や社会環境は激変している。
  (a)最も大きいのは技術革新による社会の変化だ。〈例〉フィンテック(ファイナンスとテクノロジーを掛け合わせた造語)という用語。IoT(モノのインターネット)という用語。
 ほんの数年前まで聞いたこともなかったが、今やさまざまな分野において欠かせない技術となっており、知らなかったでは済まされない。「昔取ったきねづか」にすがって生きていける時代はもう過ぎ去ってしまったのだ。好むと好まざるとにかかわらず、日本のビジネスパーソンも新しい知識・技術を身に付ける必要に迫られている。

  (b)長寿化と社会保障の先細り懸念から、高齢になっても働く人が増えているのも大きな変化の一つだ。60歳で定年となった後の「セカンドキャリア」について不安を持っている人は多い。天下りや子会社へ出向できる運のいい人はごくわずかで、ほとんどの人は新たに職探しをしなければならない。そのためには、新たな知識を身に付けたり、何らかの資格を取得したりするなど、前もってセカンドキャリアに向けた準備をしておく必要がある。

 (3)いまさら勉強といわれても、大学卒業以来、まともに勉強したことがないという人も多いだろう。そんな人におすすめなのが「独学」である。
 (1)の侍留氏は、自身の経験から「大学受験のやり直し学習が効率的で効果が高い」と語る。大学受験用の参考書や問題集は、①網羅的で分かりやすく、②値段も安い。ために、独学の教材として好適だ。

 (4)誰もが勉強しなければならない時代になったが、ポジティブな環境変化もある。ネット環境が充実し、オンラインで学習できる教材が多様化していることだ。
 ユーチューブには英語を勉強できるさまざまな素材がアップされているし、「いつでもどこでもスマホで学べる! 独学に最適のスタディサプリ」で紹介する「スタディサプリ」のように、スマートフォン上で人気講師の動画講義を受けられるものもある。
 独学の最大のメリットは、いつでも、どこでも、自分のペースで勉強できること。オンライン教材は、まさに独学にはうってつけだ。

 (5)社会環境の変化に加えて、健康面からも独学の重要性が高まりつつある。
 健康寿命(日常的・継続的な医療・介護に依存しないで自立した生活ができる生存期間)と平均寿命のギャップを見ると、介護なしに自立した生活を送れない期間を意味している。男性は約9年、女性は13年近く、何らかの介護を必要とする生活が続くということだ。
 「健康寿命を延ばすためには、脳が健康である必要がある」【瀧靖之・東北大学加齢医学研究所教授】
 認知症予防に役立つのが、勉強することなのだ。
 キャリアアップのためにも、健康のためにも、いま「独学力」が必要とされている。

□記事「なぜいま「独学力」なのか ~特集「独学力」~」(「週刊ダイヤモンド」2017年10月7日号)
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