お寺のオバサンのひとりごと

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現世利益

2007年05月15日 | 本紹介
 一般経済活動においては「利益」は「りえき」と読みますが、仏教では「りやく」と言います。
 「○○にお参りしたら、御利益(ごりやく)がある」 と言うように、「病気がよくなる」「お金がもうかる」「家内安全」・・・というような自分にとって好都合なことが叶う意味・イメージで使われる言葉です。
 
でも、浄土真宗では、そういう意味での御利益は否定します。だから、つい力が入って「御利益などない!」「御利益を望んではいけない!」というようなお話をしてしまうことがあるのですが・・・

 藤田徹文先生の著 「現世利益」 探究社 から ご紹介

 p8仏教の中には「利益」は説かないというようなことを強調する宗派もあるようですが、真実の教えを実践し、真実の教えに遇ったら、必ず利益があるというのが仏教です。ただ、問題なのは、み教えの実践もせず、み教えを聞くこともなしに、ただ利益だけを追い求める人がいます。このようなことは、言語道断です。
 仏教は、利益を追い求めるだけにあるのでなく、み教えを実践し、み教えを聞くがままが、実は「功徳」であり、「利益」だという教えで、それが基本です。

 仏教では「自利」自分が利益を得るとともに「利他」他の人をも利益することを説きます。

p11 多くの「いのち」に支えられ生かされて生きている私たちなのです。私を生かしてくださる「いのち」が幸せになることなしに、私の幸せはないのです。他の人を利益することなくして、私の利益はないというのが本当だと思いますし、そのことを教えてくださるのが仏教であると領解しています。

 仏教でいう「利益」は「仏の教えによって得られる心のやすらぎ・幸福」です。
ままならぬ厳しいこの現実社会を修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄にしてしまわないよう、皆ともに、手をとりあって生きてゆく力をいただく「利益」が本当の「御利益」なんだと思います。 



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