お寺のオバサンのひとりごと

心のマッサージにお寺へ行こう!

「宗教なんて!」

2017年11月11日 | 仏教
 先日のこと。某ご門徒さん(仮にAさんとします)宅にお参りへ。
 私が得度(とくど:僧侶になること)以来、ご両親の祥月命日には、私をご指名くださり、お参りに行くこと、20年以上。

 ここ10年くらいは、老ご夫妻だけで、穏やかに、あたたかく私をお迎えくださって、一緒にお勤めしていましたが、数年前、ご主人がご往生され、Aさん、お一人での仏事に・・・

 それが、今回、子どもさんご夫妻もお参りしてくださっていて、とても、うれしく思いました。

 いつものように、勤行、法話もどきをさせていただき、仏事を終えたところで、Aさんの養子息子さんが、猛然と、

 「仏教にしろ、他の宗教にしろ、まやかしだ。真実なんて、あるわけない
と、批判を始められました。

 ご自身は、いろいろ経典も勉強したと仰りながら、私を叩きのめしたいかのように、次々仰る宗教批判は、仏教の教えとは正反対の
「自分教」に聞こえました。

 養子息子さんが、無宗教でいらっしゃるのか、というと、そうではありませんでした。

 驚いたのは

「(阿弥陀仏は)病気すら治せないくせに

と、仰ったのです。

 ええっ、経典を学ばれたと仰りながら、仏教は、自分に好都合な現世利益なんて、何も説いてないのですが・・・

 これだけは、声を大にして私も言いました。

「(信心したら)病気が治るなんていう宗教こそ、まやかしで、嘘ですよ
  
 Aさんの子どもさん夫妻は、唖然とする私を置いて、先にお帰りになられました。後に残ったAさんと私。

 ご高齢のAさんは耳が遠くなっておられ、私たちのやりとりはお分かりにならなかったのが幸いでした。

 お仏壇の仏前での会話でした。何だか悲しくなりました。

 驚きましたが、勉強になり、反省させられました。

 私の法話がエラそうで、腹が立たれたのでしょうか それとも、私が女だったから、普段思っておられることが口に出しやすかったのでしょうか 
 いずれにしても、ご門徒さんの本音が聞けてラッキーでした。

 たぶん、住職の法話を静かに聞いておられる方の中には、このAさんの息子さんのように、義理でイヤイヤ出席し

 「ふん、なにが『浄土』だ『念仏』だ、バカバカしい・・・」

と、思っておられる方が、多々いらっしゃるのでありましょう。

 あらためて、法話の難しさに気づかされた、有り難いご縁でした。

 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
コメント
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