事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

真田丸 第三十九回「歳月」

2016-10-02 | 大河ドラマ

第三十八回「昌幸」はこちら

前回の視聴率は15.7%と予想を大幅に下回った。裏がイッテQ!の登山部だったことを差し引いても意外。草刈正雄退場の回だよ?うーん。

と、真田丸中華思想で考えても仕方ないですわね。世の中にはもっと楽しいことがいっぱい……あるかなあ。

九度山に流罪になっている信繁一家。どんな世の中であっても、それなりに自分をその世に合わせていくのは信繁ならずとも誰でもやっていること。にしても金がない……ということで有名な真田紐のエピソードに。まさか秀次の娘(岸井ゆきのがすっかりフィリピーナになっている!)を側室にしていたことがその端緒になるとは思い切った話。恋愛体質の本妻はそりゃびっくりするよね。

静かな回なのにわたしがこの話を愛するのは、信繁が子育てにまったく自信のない男だとしている点だ。

昌幸亡き後、ようやく信繁の色が出せるとなった時点で三谷幸喜はこの部分を押し出してきた。自信のない父、それが真田幸村(まだ名前のエピソードは続きそうだ)の本質だと。

梅(黒木華)との間の娘に完全に拒否られたことが影響しているのだろうけれど、戦国の世にそんなことでグジグジするヤツはいない。だけれども、そこを強調したあたりが、実は父親という存在を強烈に意識している三谷幸喜らしいところかと。息子に囲碁を教えてもらう展開は、高梨内記を経由して信繁が昌幸の子育てを色濃く受け継いでいることを暗示してうれしい。

もうひとつ、この回ではっきり宣言されたのは、この長大な真田の歴史を語っているのはきり(長澤まさみ)だということだ。ドラマにおける神であるナレーターの有働由美子以上に(笑)。

脚本家にとって、そりゃあ本妻以下で愛人以上である存在は“便利”だろう。でも彼女には真田幸村という人間の批評家という役割よりもっと強く、迷いまくっている主人公をぶれさせない役割が与えられているようだ。いわば彼女と信繁の合体が真田幸村で……すいません先走りすぎました。視聴率は、もうわけわかんないから16%台かなあ。

第四十回「幸村」につづく

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