事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2014年2月号~当たりくじ、外れくじ

2014-02-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Aut201401160104 2014年1月号その2「引き出しのなかに」はこちら

○島小中学校ではとっくに配布されたことと思いますが、×中職員の“おおかたの”人たちの給料袋に昇給発令書を同封しておきました。なかには入っていない人もいます。それは

・期限付職員の場合 → 採用時に号級決定され、退職までそれが継続するから

・給料表の都合 → その級の最高号給まですでに到達しているので、昇給しようがない(うちの職場にも、わたしを含めて三名います。うれしいかぎりです)。

しかし昇給発令書と同じ体裁の紙が入っていたからといって油断はできません。ある方々のそれにはこう書いてあります。

「山形県職員等の給与に関する条例第6条第3項の規定に基づき 昇給しないので通知します」

これはどういうことかというと、その条例の解説にこうあります。

「55歳を超える職員の昇給については、勤務成績が『特に良好』である場合に限り行うこととされ、勤務成績が『良好』及び『良好であると認められない』場合については昇給しないこととされたこと」

要するに歴然とした昇給抑制です。このため、昭和33年4月1日までに生まれた方々にはこんな通知が来ているというわけ。しかも、「該当職員に通知してください」とダメ押しまで。

こんな外れくじみたいな失礼な紙を渡すのはいかがなものか、とも思ったのですが、なぜ昇給しないのかの説明は事実上これだけなので……まことにもって労働意欲が喚起される代物です。

※まさか山田洋次があの原作を映画化するとは、と驚かされた「小さいおうち」。だってあの小説のキモは……。
とりあえずベルリンで女優賞をとった黒木華は、もう蒼井優のそっくりさんとは呼ばれまい。松たか子の所作だけでも見る価値のある作品。さーすが梨園の出身。
庄内弁と内陸弁の違いまでレクチャーしてくれる親切な映画でもあります。

2014年3月号「少しは景気のいい話を」はこちら

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退職事務PART6

2014-02-20 | 学校事務職員

20130619g074 PART5はこちら

もっともオーソドックスな、定年で退職して、以降に再就職しない人のことを考えてみよう。

これまでは公立学校共済組合員として、医療機関の窓口で3割を自己負担し、その多くはあとで業務用口座にバックされてきた。この一連の流れのなかで、現職たちはなにもする必要がなかった。自然に、医療費は戻ってきたのだ。

でも退職してその権利は失われる。ここでルートは三つにわかれる。

①家族が加入している健保の被扶養者になる。
これがいちばん恩恵がでかい。現役時代とほぼいっしょの給付が受けられて、しかも掛金はゼロ!

国民健康保険に加入する
居住する市町村の窓口に行き、手続き。要するに自営業者たちと同じ土俵に立つわけだ。

③公立学校共済組合の“任意継続組合員”(略して任継)になる。
これがわたしが経験した退職事務のなかでいちばん多いかな。でも実はもうひとつ選択肢があるのよ。

④何にも入らない
おすすめできません(笑)。国民皆保険に真っ向から反してどうするんですかって話。

……さあそれぞれのメリットデメリットを考えてみよう。

まず、被扶養者になるチョイスはいいことだらけに見える。どうしてみんなこうしないのだろう。

それは、所得制限があるから。年間収入が130万円(年金受給者は180万円)以上あると、被扶養者になれないんですよ。

わたしは三十年も事務職員をやってきて、それなりに退職事務の経験をつんできた。で、この選択肢が有効だった人はほとんどいなかった。

だって、年金はすぐにもらえたし、けっこうお高かったから。ところが年金額は減り続け、特に65歳になって満額受給するまでの間、180万円も年金を受け取る人は今めったにいないんですって!以下次号

本日の一冊は柳広司の「楽園の蝶」。あの満州映画協会、満映が舞台だ。日本人にとって、そして中国人にとって幻だった満州国が、幻のメディアである映画に二重写しになるあたりが渋い。甘粕正彦が、まさしくこんな人物であったろうことがうかがえて納得。

楽園の蝶 楽園の蝶
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2013-06-21

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