hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

至福の時

2023年08月23日 | 個人的記録

 

はるか昔、息子がまだ幼かった時、妻と私で真ん中の息子の両手をつないで歩いていて、水たまりにぶつかった。二人で息子を持ち上げ、ひょいと水たまりの向う側へ降ろした。幼い子供を持つ家族のよくある風景だ。

我が息子は自分で飛んだ気分になって二人の顔をみて嬉しくてたまらないと身体をよじってケラケラと笑った。あの時が、私たち家族の若葉の時だった。年老いた今でも、幼い息子の笑顔と笑い声がよみがえり、おもわず微笑んでしまう。

 

すでに数年前のことになったが、同じように妻と私で幼い孫娘の両手をつないで歩いていて、マンホールのところで持ち上げて飛び越した。孫娘は本当に楽しそうに笑って、「すっごく楽しい!」と叫んだ。
「おお、女の子ってまた違うな!」と思った。

 

小学生になった頃、同じように、二人で孫娘の両手をつないで歩いていた。私が孫の手をつかんでいたのに、孫が逆に私の手をつかんだ。何をするのかと、不審に見ていると、同じように妻の手もつかみ直し、二人の手をつながされた。孫娘はいたずらっぽくニコニコと二人を見上げる。

妻は直ぐに振りほどくわけにもいかず、久しぶりにちょっとの間だが二人で手をつないで歩いた。私にとって二重の喜びで、「すっごく楽しい!」と叫びたかった。

 

「女の子ってあんなことやるのね」と、昔、女の子だった妻が言った。

 

「男の子もいいけど、女の子っていい!」

 

 

コメント (2)
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