hiyamizu's blog

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凪良ゆう『汝、星のごとく』を読む

2023年08月03日 | 読書2

 

凪良ゆう『汝、星のごとく』

 

講談社BOOK倶楽部の内容紹介

2023年本屋大賞受賞作

 

その愛は、あまりにも切ない。

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。


――わたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

――まともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

 

 

瀬戸内海の小さな島で、17歳の高校生、井上暁海(あきみ)と青埜櫂(あおのかい)は出会った。

この島で生まれ育った暁海の父は恋人・林瞳子(とうこ)の家へ通う。井上家の事情は島の人々の噂の種で、母は心に変調をきたした。瞳子はオートクチュール刺繍で生計を立てていた。暁美は、母に悪いと思いながら刺繍に興味を持ってしまった。

 

この島にやってきた青埜櫂(あおのかい)は母子家庭で、母親は恋人・あーくんを追ってこの島にやってきて、島で唯一のスナックを営み、おっさんどもは鼻の下を伸ばし、おばちゃんたちには冷たい目で見られている。彼女は男なしでは生きられない〟タイプなのだ。
櫂は投稿サイトで知り合った久住尚人と漫画の原作と作画で共感し、編集者の植木さんに導かれて力をつけていく。

 

ともに困った母親の面倒を見ざるを得ないという共通の厳しい家庭事情を抱える二人は惹かれ合い、母親のこと、自分たちの将来に悩み、語り合う。島で唯一の味方は、結ちゃんを育てているシングル・ファーザーの化学の北原先生だけだ。

 

二人は島と東京に別れ、そらぞれが別のパートナーと付合い、それでも……。そんな二人が30歳を超えるまでの姿を描いていく。

 

 

瞳子は櫂に言う。

「私も奥さんももう腹は切ってる。あとは男がとどめを刺すだけ。そこで男が怖がって逃げたら、死にきれずに女がのたうち回ることになるじゃない」……
「あとでもっと苦しくなるのに、ひとときだけでも優しくされたい?」
「きみのそれは優しさじゃない。弱さよ」

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

ときどきあることなのだが、読み終わったときには「これは五つ星だ!」と思ったのだが、落ち着いて、付箋だらけのこの本をパラパラと読み返してみると、二人が島と東京に別れてから、それぞれ浮気したり、迷ったりする部分が長すぎて、ダレル。最後も唐突で、よくあるパターンだと言えば言える。

まあ、四つ星かな。

 

プロローグで、「月に一度、わたしの夫は恋人に会いにいく。」と始まる。

これだけで、元BL(Boys Love)作家の「普通でない恋」の話じゃないのかなと推測できてしまった。それにしても北原先生はないよな。

 

 

凪良(なぎら)ゆうの略歴と既読本リスト

 

 

 

夕星(ゆうつづ):《古くは「ゆうづつ」とも》(本書では(ゆうづつ))。夕方、日没後、西の空に明るく輝く星(金星)のこと。「宵の明星 (みょうじょう)」 。
太陽が昇る前に東の空に明るく輝く星・金星は、「明けの明星」。

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