hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

虹を見た

2021年08月19日 | 日記

今朝、8/19、我が豪邸のテラス(?)から見えた虹。久しぶりにイイコトあるかもね

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津村記久子『つまらない住宅地のすべての家』を読む

2021年08月19日 | 読書2

 

津村記久子著『つまらない住宅地のすべての家』(2021年3月21日双葉社発行)を読んだ。

 

双葉社の紹介

とある町の、路地を挟んで十軒の家が立ち並ぶ住宅地。そこに、女性受刑者が刑務所から脱走したとのニュースが入る。自治会長の提案で、住民は交代で見張りをはじめるが……。住宅地で暮らす人間それぞれの生活と心の中を描く長編小説

 

生気のない淀んだ住宅地を変えたのは、刑務所から脱走して女性受刑者だった‥‥? それぞれの家庭の事情とその変化を飄々と描く町内劇誕生!

 

 

どこか地方の小さな町の路地に面した10軒の家の物語。

 

東の列の北側から

笠原家:妻・えつ子(75)と夫・武則(80)の二人暮らし

大柳家:上司の関口にいじめられ 鬱屈 を抱える一人暮らしの(25)は女児誘拐を企てる。母は家を出て、父は老人保険施設に入る。アイドルのポスターをえつ子に見られてしまうが、手放しに褒められる。

山崎家:母を看取り、実家に戻り、スーパーのパートで働く独身女性・正美(58)。

丸川家:母が家出して父・と中学3年の亮太と二人暮らし。父は自治会長。

松山家: 基夫(もとお)。正美が働くスーパーの警備員。

 

西の列の北側から

長谷川家:祖母・小夜が支配。妻・静美、婿夫・、大学4年麻耶、次女・中学生千里、次男・小学生翔倫

真下家:都会での恋愛に失敗し疲れて帰ってきた息子・耕市(36)とその母親

矢島家:母が家にいつかないし、祖母は世話しないので小学4年のみずきが妹・ゆかりの世話をする。

相原/小山家:大学講師の相原貴弘と、学生に振り回される同じく講師・小山篤子の42歳の同い年夫婦

三橋家:育てにくく体が大きい12歳の息子・博喜を閉じ込めようとしている朗喜(あきよし)、博子夫婦

 

日置昭子:会社の金を10年で一千万円横領し刑務所から脱走。36歳女性。真下耕市と中学まで同級生。

野島恵一:ノジマ。亮太と中学の同級生。父母が居ないので伯母と住む。ゲームで「ヒロピー」と「ウインナー」とトリオを組む。昭子の従姉弟。

梨木由歌:学業は優秀だが、講師の小山篤子を振り回す女子学生。恋人は育斗。

 

 

初出:「小説推理」2019年10月号~2020年5月号

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

読みにくいのを我慢して読めば、ジワジワと面白さが湧いてくる。

それぞれに問題を抱えていながら平凡に真面目に生きている10家族。読み進めるうちになじみが出来て、応援したくなっている自分に気がつく。

 

読みにくいのは登場人物が多すぎるため。10家族、20人以上も多いのだが、そう上、本文中には名字がかかれておらず名前だけ。「隣の家の」記述から名字(家名)を想像するしかない。私は、読みながらパソコンで上記した登場人物表を作りながら読んだ。

しかも、始めに登場するところで名前を書くのが常套なのに、例えば、長谷川家の祖母の名が小夜であることは、必然性なく突然と、p228(全部でp238)で知らされる。丸川家の家出した妻の名前が苑子であることもp231で初めて明かされる。これって、意地悪??

 

なんという題名だ! 「つまらない‥‥すべての」とは! 

 

津村記久子(つむら・きくこ)
1978年大阪府生まれ。小説家。大谷大学文学部国際文化学科卒業。
会社勤め→失業→会社勤めを経て、
2005年『マンイーター』(改題『君は永遠にそいつらより若い』)で太宰治賞
2008年『ミュージック・プレス・ユー!!』で野間文芸新人賞
2009年『ポトスライムの舟』で芥川賞
2011年『ワーカーズ・ダイジェスト』で織田作之助賞
2013年『給水塔と亀』で川端康成文学賞
2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞
2017年『浮遊霊ブラジル』で紫式部賞
2019年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞
2020年翻訳「給水塔と亀」でPEN/ロバート・J・ダウ新人作家短編小説賞  を受賞。

他、『エブリシング・フロウズ』、『サキの忘れ物』、津村紀久子・深澤真紀著『ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法

 

煌々(こうこう)と灯る

 

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