hiyamizu's blog

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貫井徳郎『明日の空』を読む

2021年04月03日 | 読書2

 

貫井徳郎著『明日の空』(創元推理文庫Mぬ15、2013年4月25日東京創元社発行)

 

裏表紙にはこうある。

帰国子女の栄美は桜の美しさを楽しむ余裕もなく、不安いっぱいで日本の高校での初日を迎えた。幸いにも友達ができ、気になる男の子とも仲良くなれたものの、やがて辛い別れを経験することに…。時は流れ、大学生となった栄美の前に現れたある人との出会いをきっかけに、高校時代の思い出はまったく別の形を見せてゆく―。『慟哭』の著者が仕掛ける、忘れられない青春ミステリ。

 

真辺栄美(えいみ):エイミー。アメリカ生れ育ち。高3で日本へ。

菜津美:栄美の高校の同級生。親友。人懐っこい。

飛鳥部(あすかべ):栄美の高校の同級生。高身長、スポーツ万能、イケメン、成績優秀で人気者。

小金井志郎:クロウ。栄美の高校の同級生。父親が大麻所持で捕まる。いつも一人で、栄美以外は話しかけない。

ユージ:英会話磨きのため六本木で外国人の案内をしてチップを稼ぐ。

アンディ:20代前半の黒人。ユージと仲間になる。明るいが引っ込み思案。

梨佳:栄美の大学の友人。5人の女子のまとめ役。

香月(こうづき):栄美の大学のスノーボード・サークルの先輩。栄美に気がある。

 

第一部は帰国子女の栄美が目立たないように気をつける高校生活。
第二部は一転、六本木でのユージとアンディの気楽な話。
第三部は栄美のだまされそうになる大学生活。

 

本書は2010年5月集英社より刊行作品の文庫版。

 

 

私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?  最大は五つ星)

 

そもそも、高校や大学での友だち付き合いの話、とくに気になる男性へ恥ずかしさと、もどかしさのバランス、駆け引きの気持ちでためらう話など、お爺さんにははるか昔の想い出が化石化していておもろない。

 

高校時代の小金井志郎(クロウ)の意図的説明不足はミステリーとしてのルール違反では?

飛鳥部が完全にいい奴との表現ばかりで、まったく裏を暗示する伏線が見当たらないのはいかがなものか。

やつあたり気味だが、
題名が “IT WILL BE FINE TOMOROW”、
Part 1が In the high school 、
PART2が At Roppongi、
PART3が In the university って、わざわざ英語で書くほどのこと?

 

 

貫井徳郎(ぬくい・とくろう )の略歴と既読本リスト

 

p231より

「明日の天気、わかる?」
「えっ、明日ですか? 確か曇りだと天気予報で言ってましたけど」
「違うね。明日は晴れるんだ」
……
「おれはアンディからバトンをもらった。このバトンは、今度は君に渡すよ。おれやアンディに感謝する気持ちがあるなら、次は君が誰かのために何かをしてあげればいい。……ひとりひとりが他人のために何かをしてあげられたら、ちょっといいことに繋がりそうじゃないか?……」


(ひねくれ者の私は、夢あるこのいい話に付け加えたい思い出がある。出歩くことが多かった昔は、よく公衆トイレに入った。当時公衆トイレは和式だったのだが、床や便器のふちが汚れていることが多かった。私はトイレを出る前にトイレットペーパーをちぎって、汚れの上に落とし、足でこすって便器に捨て、ちょっとだけきれいにしてから出ることを心がけていた。次々と同じことをすれば、公衆トイレはどんどんきれいになるのに、と信じて??)

 

 

鎹:かすがい。「子は鎹」。かけがね。二つの材木をつなぎとめるために打ち込む、コの字型のくぎ。

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