hiyamizu's blog

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「死体の経済学」を読む

2009年04月02日 | 読書2
窪田順生著「死体の経済学」小学館101新書、2009年2月、小学館発行を読んだ。

なんとも刺激的な題名だ。しかし、「死体」とあっても、献体、臓器移植とは関係なく、葬儀業界の話であり、「経済学」とあっても、葬儀などの価格の実態が暴露されているに過ぎない。

背表紙には以下が。

人生最後にして最大のセレモニーである葬儀。平均231万円という大金を払いながら、人は葬儀費用の内実を知らない。
タダ同然のドライアイスで1日1万円、
つかいまわしの祭壇で100万円取られるのはなぜ?
ベールに包まれた葬儀業界のカラクリをついに明かす!
さらに、死をめぐるビジネスは葬儀社だけではない。
映画で話題の納棺師からチェーン展開の遺品整理屋まで、
最前線を行く「おくりびと」たちを徹底ルポする。


しかし、本文を読むと、「ドライアイスで1日1万円」「祭壇で100万円」は新規参入がいなかった過去の話のよう。この本、誇大表現が多く、いかにも元週刊誌記者などと私の偏見を増長させてくれる。

目次は以下だ。

序章  葬儀費用が払えずに親を山に捨てる日
第1章 「ドライアイス」からわかる葬儀ビジネスのカラクリ
第2章 エンバーミングは葬儀業界の「救世主」になれるか
第3章 四川大地震で活躍した遺体防腐スプレー
第4章 「納棺」と「死化粧」のパイオニア
第5章 “死臭”消臭剤開発プロジェクト
第6章 「死者の引っ越し」というサービス業
第7章 棺業界を席巻する「中国製品」と「エコブーム」
第8章 年間100万人超の火葬場は海へ地下へ

「葬儀屋は月に1体死体がでれば食っていける。月に2体でれば貯金ができる。月に3体死体がでれば家族揃って海外旅行ができる」と言われ、そのぼろ儲けぶりが暴露される。しかし、新規参入業者によってこの構造は崩れつつある。

葬儀ビジネスの収益の柱が「祭壇」などに代表されるセレモニーから、「遺体に触れるサービス」に移行しつつある。その内容は、遺体を自然な状態にする薬剤注入によるエンバーミングや、納棺師の仕事だ。また、孤独死した腐乱死体の処理、遺品整理などのビジネスも盛んになりつつある。
さらに、火葬場不足も切実で、海上の船や地下に建設しようとする動きもある。



窪田順生は、1974年生まれ。大学在学中から、テレビ番組制作会社の契約スタッフとして情報番組の制作に携わった後、「フライデー」にて取材記者として3年間活動。全国紙記者、実話誌編集長等を経て、現在はノンフィクションライターとして活躍する傍ら、企業の危機管理コンサルタントも務めている。



私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読めば)

葬儀費用や、お布施に値段は、もともとコストから計算できるものではないので、前半の棺桶のコストがいくらだから、利益率はいくらなどの記述は意味がない。
また、葬儀業界の新技術開発や新しいビジネスモデルには多少、興味が持てるが、掘りが浅く、インタビューした相手の話しを鵜呑みにして、そのまま記述しているように思える。




コメント
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