hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

「内科からみる自律神経失調症」を読む

2009年04月18日 | 雑学

渡辺正樹著「内科からみる自律神経失調症-9つの生活改善法」2008年9月、文芸社発行を読んだ。

ストレスがなぜ体の不調を招くのか、自律神経の機能とその失調によって起こる症状を内科医である著者が内科の視点から丁寧にわかりやすく解説した自律神経入門&健康ガイドブック。ストレスが内臓に響く前に実践すべき9つの生活改善法を提案している。

「まえがき」から
自律神経失調症の治療は、精神科的な方面から、薬物治療を含めた精神ケアが行われることが多いようです。しかし影響が内臓にまで及んでいた場合には、内臓のケアも必要になります。・・・この本においては、私は内科(厳密には神経内科)の立場から“残り半分”を述べたいのです。


第1部 自律神経失調症とは?
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、・・・どちらかがもう片方より強くなり、一方的に傾いてしまった状態-つまりバランスを失った状態を、自律神経失調症というのです。

ストレスが心に悪影響を及ぼした場合は、「不安」という形になり、それが進展すると「神経症」という病名がつきます。ストレスが不安に発展するのを防ぐ脳内物質は「セロトニン」です。・・・神経症にはそのセロトニンを脳内に増やす「SSRI」という薬剤が有効とされます。

交感神経からはノルアドレナリンが分泌されて臓器を「戦闘モード」にさせ、副交感神経からは「アセチルコリン」(これも神経伝導物質)が分泌されて臓器を「休息モード」にさせます。

体は休めていても、副交感神経が活発にならず、交感神経が働き続ける場合もあります。・・・また、逆に、体を動かしていても内臓が十分働かない場合も、体調はしっくりいかず、・・・これらの状態がまさに自律神経失調症で、・・・

交感神経は年齢に関係なく元気である一方、副交感神経は加齢とともに弱っていきます。

第2部 自律神経失調症とさまざまな症状・病気(フラツキ、メマイが起こる;立ちくらみが起こる;「怠け者」の中に自律神経失調症はいないか?(全身倦怠) ほか);

第3部 自律神経失調症の改善法
自律神経失調症に対する9つの改善法を提案します。どれも地道な生活上の心得と言えます。

1.スローライフ

2.体の芯を温めること (ゆっくり入浴など)

3.時間に追われないこと、感情を吐き出すこと
(副交感神経は排便や、唾液など体内の物質を外へ出すための交感神経で、感情も吐き出さなければ副交感神経も抑圧されることになる)

4.「ねばならない」と思わないこと

5.日本食を増やすこと

6.ニコニコ(ペース)散歩

7.ストレスに強くなること
(目標を立てて達成する、想像する、物を創るなどして前頭葉を活発に使うとドーパミンが分泌され、ストレスに強くなる)

8.セロトニン、βエンドルフィンを増やすこと
(βエンドルフィンは「快感物質」と呼ばれ、脳内でドーパミンの産出を促進させます。βエンドルフィンを増やすには、外での運動、読経など無我の境地になる、ワクワクしてハイになるのが効果的です)

9.右脳を使うこと(芸事、歩行、旅行、想像、瞑想をする)



渡辺正樹は、1958年、三重県生まれ。名古屋大学医学部神経内科にて博士号取得。名古屋第一赤十字病院神経内科副部長を経て、現在、渡辺クリニック院長。日本脳卒中学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本神経学会認定医、日本内科学会認定医。


私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)

きわめてわかりやすく書かれていて、各項の最後に2,3行のまとめや説明図がある。どうやったら防げるかは、明確、論理的には書いてない。そんな簡単な問題ではないので、それも仕方ないことだろう。



コメント
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