hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

「あなたは「ひとり」で最期まで生きられますか?」を読む

2008年11月09日 | 読書2

栗原道子著「あなたは「ひとり」で最期まで生きられますか? -現役ヘルパーが教える老後の知恵」2008年8月、講談社発行を読んだ。

表紙の裏には、こうある。

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「自宅に住み続けるか、施設に移り住むか。あなたはどちらを選びますか?
ヘルパーの経験から、今の介護保険制度では、独居で要介護になったら介護保険だけで生活するのは無理だということを痛感しています。現実には、有料老人ホームの居室を「自宅」ととらえ、安心してなじみの職員に看取ってもらっている人も居ることを知り、自宅の意味を広くとらえることで、考え方も違ってくることに気づきました。(はじめより)」
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おひとりさまの老後」にあやかったような刺激的な題名だが、この本の内容は、介護情報、おすすめ施設、サービスの紹介だ。神奈川県を中心に優良21施設訪問記もある。


施設の一般的情報はもちろん、個々人の事情に合わせた具体的施設選定の失敗例、成功例が豊富で、選定の際の注意すべきポイントが分かり易い。



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

そろそろ施設について考えたいという人にはお勧めだ。そうでない人にも、自分や親が終の棲家を探すときに何が問題かをあらかじめ知っておくことは有益だろう。


第1章 介護保険を使って自宅で暮らす ― ヘルパーが見た在宅介護のいろいろ
 一人で暮らすのには必要なことなのに、介護保険の制約でヘルパーが手伝ってはいけないことがある。家族でないとできないこともあるが、家族では無理なこともある。

第2章 いろいろなサービスを使えば、こんな生活も楽しめる ―さまざまな施設の取り組みと利用法
 日帰りで施設に出向くデイサービス、通所リハビリ、一時的に入所するショートステイなど。

第3章 施設や民間有料老人ホームに移り住む時期を考える ―「自分の生活」をいつまで維持できるか
 自分で決断して住まいを選択した人は入居後も充実している。介護度が進んだら、では遅い。

第4章 多様化する施設 ―施設に入るのがイヤという人への選択肢
都心で美術館めぐりを、入居者との会話を、海辺の散歩を楽しみたいなどが可能な住居もある。
私の今回の引越しで高齢者が家を借りるのは大変だとあらためて認識させられた。高齢者の入居を拒まず、入退去自由な高齢者専用賃貸住宅という制度がある。「高齢者住宅財団」のホームページを見ると、まだまだ数は少ないが具体的物件を探せる。

第5章 有料老人ホームを「終の住処」にしたい人 ―元気なときに目星をつけたい
良い老人ホームを探すポイントは、夜間看護師がいるか、居室で介護が受けられるか、認知症になってもホーム内にいられるか、雰囲気が明るいかだ。元気でお金に余裕があるうちに施設をたくさん見学した方がよい。

第6章 認知症に適した住まいの選び方 ―グループホームと介護型ケアハウス
認知症になっても、「そのときが来たら考えます。私はしっかりしているから、まだひとりで大丈夫」と言っている人がいる。こんなことが、自分にも起こりうる。

第7章 介護力のある病院を探す ―病院での介護は見えにくい

第8章 ここなら入りたいという特別養護老人ホーム ―明るい・清潔・楽しい施設もあるんです

著者は、1944年満州生まれ。シルバー産業新聞委託記者。介護福祉士。シニア住まい塾相談員。主にライターとして「高齢期の住まい」を追っている。介護保険前から現在に至るまで在宅ヘルパーとしても活動。現在、シルバー産業新聞、雑誌「かいごの学校」で執筆中。




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