ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~姫の本分、何と心得る?~

2012-12-04 | 散華の如く~天下出世の蝶~
帰蝶「左様心狭ければ、殿をお慰めするに心許なし」
市姫「ぶ…」ぅと口を尖らせ、面白ろうない、ふんッ。
という素振りで、踏ん反り返っていた。
帰蝶「座りなされ」
キツイ言葉を使う割に、キツイお小言、お叱り、命令を嫌うと見た。
殿の御前だけは良い子ちゃんで、にっこり可愛い素振りを見せても、
我ら女性陣の前でこれでは、
“母に似て…困る”
いつだったか、殿は妹君の事をこう漏らした。
妹君の、一の姫様の事をお伺いしたのは、それが最初で最後。
その後、土田御前様の隠居を機に、養母様の義母様に預けたと聞いたが、
その養母様にもお孫様が誕生し、
先月、生まれましたよ
信輝の子も預かるとしたら、大変じゃ。
市姫「そなた偉そうに、何様じゃッ」
まぁ、私の嫌いな甲高い声で、キィキィ騒ぎ立て、
己の声でさらに高揚興奮して、姫君からほど遠い。
立ったまま、上から目線の物の言い。
ふるふると、落ち着きなく体が震え、
要件言い分をまとめる余裕すら無い。
意のままに成らぬなら毛嫌い、排除。
殿の妹というだけでこう高飛車なら、
帰蝶「姫の本分、何と心得る?」
市姫「え?」
帰蝶「読み書き(お勉強)出来ても、心が働かぬなら、無能も同じ」
呆れたお姫様。斯様態度で他国に嫁げば織田家の恥。何とかせねば、
まともな姫君にお育てし、織田家の守りの要と成って頂かねば困る。
「まず、ご挨拶なさいませ」
市姫「…」ご挨拶を知らぬか、出来ぬか、それとも、
ただ無視と決め込んでいるだけなのか、黙っていた。


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