ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~蓼食う虫も好き好き~

2014-07-28 | 散華の如く~天下出世の蝶~
古新は笑った。
古新「姉そっくり…」
古新の姉は可成様の次男長可の妻 泉は、
信輝の娘である。女ながら鉄砲隊隊長で、
殿は信輝の娘を“鉄砲娘”と呼んでいた。
帰蝶「あぁ…」
もし、私が鉄砲を手にドンパチやっていたなら、
私が、そのような渾名を付けられていただろう。
殿も、私に鉄砲を持て、と言ったが、
私は、男の無駄な意地の張り合いに、
無辜の女や子供が巻き込まれるのは、
“嫌にございます”
きっぱりと断った。
「あの、好き好んで鬼に嫁いだ姉のことか」
古新「鬼を助けるのは、自分しか居らぬと」
帰蝶「世にモノ好きが居らねば、男が余る」
古新「帰蝶様も、だから、御屋形様の所へ…?」
帰蝶「そんな訳がなかろうが。私は父が決めたからで」
古新「姉は、父の反対を押し切り、森家へ嫁ぎました」
私の腹を探るように睨み、
帰蝶「…」
私が言葉を選んでいると、
古新が先に言葉を続けた。
古新「帰蝶様なら本当にイヤなら、断るはず、と」
帰蝶「誰が、言うておった?」
古新「私の推測にございます」
帰蝶「良いか?古新。私一人がイヤだと言った所で、何も成らぬ、為せぬ事がある」
古新「それが、御屋形様の言われる“天下泰平、天下布武”なのでございますか?」
帰蝶「おひとり一人…泰平布武の捉え方が違う、と言っているのだ」
古新「御一人…とは、明智様のこと、にございますね」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。