ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~姫の初恋と、恋敵~

2012-12-03 | 散華の如く~天下出世の蝶~
「義母様。一の姫様、しばしお預かりしとうございます」
養徳院「…では、お頼み申し上げます」
一秀様の乳母女中、侍女を下げよう…と、
市姫「わらわはヤじゃ。ここはヤじゃ…」
くるり、と養徳院様の後ろにペタリと付いた。
ぺり…、と引っぺがし、一の姫様の手を取り、
帰蝶「子供の駄々に付き合っていては出立が遅れまする」
養徳院「はい…」一の姫様を無理やり、部屋に押し込め、
パタン、襖を閉めた。
帰蝶「この世は好いた方ばかりではありませぬ、さ…こちらへ」
私の隣、生駒の正面に座らせようと促したが、
市姫「ヤじゃ。そなたも、嫌いッ」
私の手を払い除けた。
帰蝶「それはようございました。私、殿方の方が好きにございます」
市姫「との…、まさか、そなたもか?」
帰蝶「…も?」
つまり、分かった。
「市の姫様は、誰を敵に回しておられるのか…のう?生駒殿」
生駒「の、濃姫様…」
市姫「な…」
わらわらと、怒りを露わに、
帰蝶「所詮は妹…しかも、」ふふんと上座に座り直して、水引であわじ結び。
それを子供に見せ付けて…「殿をお慰めした事もない子供…」
市姫「まぁッ」
顔がサルのように赤こうなって、
「私だって、信長の兄上様をお慰めする事くらい…」
帰蝶「ほ?」
本音が出た。
「では、如何様にお慰めされました?膝枕にございますか?腕枕にございますか?」
市姫「そ、それは…」


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