ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~傾国傾城の姫~

2012-12-05 | 散華の如く~天下出世の蝶~
生駒「濃姫様…あの…、私の事でしたら…」
おろおろと、
殿の妹君というだけの肩書に怖気付いて、
子供一人を御諫め出来ぬとは嘆かわしい。
帰蝶「別に、そなたのためではない」
我が義妹の、その将来ため、
いずれ嫁がれる御時のため、
「私は、女子供だとて遠慮はせぬ」
一国一城の主を夫に持つ定めと心得、
その妻たる覚悟を理解して頂かねば、
“傾国傾城”
土田御前様のように絶世の美人にご成長されるは、国家危うき。
その美しき容姿に絆され、夫は政を疎かにし、財政傾けかねん。
妻は、奥へ奥へと入り、その奥を取り知りきり守らねばならん。
それに、嫁ぎ先で何が起こるかこの分からぬ乱世。
その宿命と運命、それを背負った者たちの苦悩と哀しみ、
他人と己の思い等しく量れぬ様では嫁ぎ先で疎外される。
生駒がどんな思いで実家に戻ったか、
また二人の子を手放した、その思い。
辛辣な言葉で傷心をさらに抉るとは、言語道断。
悪いは、その傷心を受け入れぬ心の冷たさ狭さ。
人様の心量れぬ姫君に裁量、器用無し。
これでは、殿の御心惹くなど以ての外。
「殿方らは、そなたのような娘、兎角お嫌…」
市姫「みんな…嫌いッ。わらわを嫌っとるッ」
癇癪を起し、
バンッ
大きな音を立てて襖を開けて、
生駒「市の姫様ッ」あぁあ、出て行ってしもうた。
帰蝶「襖は無実…」襖に当たっても仕方あるまい。


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