ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~私には、ねねがおりまして~

2012-12-24 | 散華の如く~天下出世の蝶~
私自身が彼女らの心、何も考えていなかった。
しゅる、一旦水引を解いて、今一度結び直し。

(左、あわじ(鮑)結び、右、梅結び)
それをみて、
市姫「わらわも、やる」
姫の御手に水引は、ちと難しく、
こちら教える側が、かなり苦労。
どうするか、と思案していたら、
侍女「姫様、折形致しましょうか?」
しゅしゅっ…と紙を折ってみせて、
水引から興味を逸らす侍女がいた。
ほ…機転の利く侍女もいるものだ。
しかし、見慣れぬ顔の侍女、一体?
帰蝶「そなた、名は?」
折りの手を止め、私に名を告げた。
侍女「杉原のこひ(こい)、にございます」
帰蝶「杉原様の…」
殿の家臣、杉原家定様の娘と分かった。
「そなた、子を扱うのが上手いな。助かる」
こい「いえ…」伏せ目がちに、下を見つめ、
再び、紙を折り初めて、こう言った。
「姫様と同じ年の娘が居りまして…」
こい殿の二番目の娘が寧々(ねね)。
※後に十四年上サルの正室となる。
帰蝶「淋しがろう…」
こい「妻が、御家と淋しさを天秤に掛けては、居られませぬ」
やはり、目を伏せたまま。しかし、芯の強さが折りに現れる。
ぴたりと折り目正しく、角が揃う。そこに几帳面さと繊細さ、
さらに、不道理、良心心情にそぐわぬが嫌いと見受けられた。
帰蝶「今度、そなたの娘、ここに参らせよ」
こい「え?」ひょっと顔を上げ、驚いた顔を私に見つめた。


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