ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~父の俤~

2014-08-04 | 散華の如く~天下出世の蝶~
塩川「どなたが、介錯なさるのでしょうね…」
帰蝶「縁起でもない」
塩川「いえ、介錯人が可哀そうと思いまして」
帰蝶「…確かに」
介錯に選ばれた者が可哀そう。
鬼の首とその妻の首を刎ねよ、
と命じられて、
一寸の迷いなく、介助を出来るか?
鬼の首を何の躊躇いなく切れるか?
「よほどの精神か、腕の立つ者でなければ、その大役…務まるまい」
塩川「私の知る限りでは、ただお一人…」
帰蝶「誰か…?」
塩川「鬼には鬼」
帰蝶「森の子たちか?」
塩川「あの小鬼たちにはまず、出来ますまい」
帰蝶「…」
森可成様が亡くなって、
幼き子たちを引き取り、
刀持ち小姓に育て上げ、
立派な殿の小鬼になった。
子たちの成長は嬉しいが、
比較対象者が惨めである。
もう少し、あの子たちのこともお考え下さい、
そう、嫡男や養子の扱いに対して注意したら、
“父子である(繋がりが濃い)が故の垣根かな”
殿と嫡男信忠との間には、大きな壁が出来た。
鬼とその妻の間に子鬼に恵まれず、
恵まれた養子は、普通の子だった。
しかも他人様の小鬼たちは、殿の予想を遥かに超え、血より濃く熱い鬼となって…、
塩川「あの子たち、父を二度失くす事は絶対にしないでしょう」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。