ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~妻の前に、女だった…~

2012-10-07 | 散華の如く~天下出世の蝶~
安産祈願…する前に流れていた。
だから、今回こそは、と、
ギュッ、二つの駒を握ったら、
ギギッ、馬が嘶き、痛がった。
つい、力が入ってしまう。
ぱッ、握った手を開いて、嫌な予感を消した。
また…とか、もし…とか、不吉な仮想が多く、
祈祷…とか、お守り…とか、私は嫌いだった。
そういえば、信輝も結婚して…。それから、
「そなた…たちは?」
池田「先月、生まれましたよ」
ちゃらぁ~と、
帰蝶「生まれたか。そうか…先を、越されたな。で、名は?おなごか?おのこか?」
動揺からか、言葉数が多くなる。
池田「…之助(ゆきのすけ)
帰蝶「男(おのこ)…」
待望の世継ぎの誕生。
おめでとう…
たった五文字、声に成って出てくれない。
池田「その事で、もし…」
もし、
自分の身に何かあれば、妻子を頼む…と?
帰蝶「父と成れば尚の事、死ぬ出ないぞ」
そんなの、嫌だ…と断わったら、
池田「…。人間、必ず死にますよ」ふ…と笑って、やり返された。
夫が戦死。残った妻子の身元を主君が引き受ける話はよくある。
小見方…我が母も先代ご逝去に伴い、父が貰い受けた妻だった。
だから、父と義兄の間で後継者問題、義兄と夫で合戦が起きた。
今川戦も、義兄と殿との間の、和睦協定の条件の一つだったし、
帰蝶「そんな事…、分かっておる」


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