元京都市会議員鈴木マサホ「ひとくち日記-日々是好日」

鈴木正穂の身辺雑記として「ひとくち日記」を復活。人生100歳時代。コロナに負けないでどこまで書き続けられるか。

京都市会海外行政調査でデンマークに 10月31日ー11月8日

2016年12月16日 | 日記

京都市会海外行政調査でデンマークに
 
 10月31日(月)から11月8日(火)帰国の日程で、寺田団長、山岸副団長ら11人のメンバーと京都市会海外行政視察団の一員としてデンマークに行ってきました。テーマは「省エネルギーや再生可能エネルギーによる持続可能な地域社会の実現」で、ハードで実りのある視察でした。遅ればせながら、簡単な日程や視察先、内容などを記しておきます。
調査団として、春には報告会を開催し報告書を作成します。

●11月8日(火)

    <無事に帰国>
 
 ほぼ予定通り、10時30分成田空港着、バスで羽田空港へ移動して午後2時の飛行機で伊丹空港着。無事に帰京。16度とかでポカポカ陽気。暑いよ。家に帰ったのは、5時前だったか。
 再生可能エネルギーへの急転換の現状をデンマークで見てきたので脱原発依存と地球温暖化の両方の着実な取組みを進めている京都市の環境政策に対して具体的に提言すべきことは多い。
 リオデジャネイロでの地球サミットが開催されたのは 1992年、地球規模で考えて地域で行動する 「Think Globally、 Act Locally」と言われ始めた。1997年にはCOP3が京都で開催、京都議定書が発効された都市であり、環境先進都市を目指して、京都市では、例えば、バイオ燃料によるごみ収集車や市バスの運行をはじめ課題に挑戦してきた。
 2011年東日本大震災での福島原発の大事故を踏まえて京都市会で可決された決議を背景に「省エネルギーの推進」、「再生可能エネルギーの飛躍的な普及拡大」を図るべく「京都市エネルギー政策推進のための戦略」を策定、地球温暖化対策とともに取り組みを進めてきている。今まで環境問題や市民共同発電などについて発言提案し、京都も取り組みが進んできているが、今回のデンマークの視察を契機に、ともに京都での政策を進めたいと改めて決意をした次第。
 なお調査団として、報告書を作成して、かつ本会議場で報告会も開催する予定です。こうご期待!

●11月7日(月)

    <コペンハーゲンから帰国の途>

 デンマークの滞在もいよいよ最終日。
 小雪が舞う寒い朝。コペンハーゲン市役所の分庁舎で、CO₂削減20%を4年前倒しで達成したエネルギー政策の取組みについて調査。またアメイジャーリソースセンターでは、ごみを焼却して発電する施設や新しい焼却場には屋上に人口スキー場を計画しているという現場を見せてもらう。

 そして、午後1時にはコペンハーゲン空港に。
 あわただしい日々でした。空港では回る寿司屋があって久しぶりにみそ汁も。
 ようやくほっと一息。午後4時前のスカンジナビア航空で一路帰国の途に。
 映画を見たり熟睡したりで、快適な空の旅で帰国の途に。

●11月6日(日)

   <コペンハーゲンにて>

 デンマーク6日目。日曜日だけど、休むことなく、バスでコペンハーゲン市郊外のユニークなデザインのロスキレ焼却所や巨大な洋上風車など見学。橋を渡ればスエーデン。デンマークはバイキングの末裔が建国した地。バイキング博物館も見学。有名な人魚姫はバスから。新都心のオレスタッド地区でランチ。街を行くとどこも自転車道路が整備されていて、颯爽と自転車で行きかう市民がうらやましい。
 
 少しばかり古い街並みを散策した後、夕方、オーフス大学の富岡次郎助教授と「エネルギー先進国であるデンマークでの暮らしについて住民の立場から」として懇談。富岡助教授は、福島原発の事故後、海外に行こうということで家族でデンマークに移住。オーフス大学で日本語を教えているとのこと。環境問題だけではなくて、医療や福祉、教育のことなどデンマークの社会のことについていろいろと話していただいた。

●11月5日(土)

   <ロラン島にて>

 朝はなんと5時半起床。ホテル出発6時30分。暗闇です。フェリーでおよそ1時間半。北海を対岸に渡り、カロンボーから高速道路で昼過ぎ、小雨降る南部のロラン島へ。世界で最も環境的に長続きする自治体として名をはせている島。
 ヴィジュアル気候センター(Visual Climate Center Lolland)にて、昼食。美味しかった!科学的地球儀で地球の温暖化の説明を受けて、サークル形式の市民持ち込みのリサイクルセンターや巨大風車、クヌセンルン農園なども見学。

 衝撃は、ヴィジュアル気候センター(Visual Climate Center Lolland)での巨大な地球儀、地球儀型の投影システム、NOAA(アメリカ海洋大気庁)が制作した巨大な「サイエンス・オン・ア・スフィア(略称:SOS)」。地球の温暖化で北極の氷河がいかに小さくなってきているのか、また海流がどのように変化しているのか、日本は今、亜熱帯気候に変わりつつあるか、などが色々なデーターでその様子がわかる地球儀ですが、3・11東日本大震災の直後に起きた福島原発の事故により、放射性物質セシウムがいかに地球を覆っていったか、風向きが、太平洋に向かっていたので救われたことも、わかりましたが、映し出されて時、いささかのショックでありました。
 この地球儀は、日本では唯一宮城県東松島市のディスカバリーセンターに設置されているのですが、京都でも設置したら教育的効果はあると思ったのです。
 暗くなってからロラン島をバスで出発して午後7時前コペンハーゲンに。長い一日でした。

●11月4日(金)

    <サムソ島にて>

 朝、オーフス市を8時にバスで出発。フェリーでおよそ1時間、住民参加のエネルギー自給の島。サムソ島に。着いて早速、藁を燃料にした地域暖房の施設や風力発電を見学してエネルギーアカデミーに。テレビ電話で代表の方とエール交換。代表は伊方原発に行っている時でした。
 サムソ島は、人口4千人の小さな島で、食肉工場が廃止になるという島の経済の危機に見舞われたときに、島民が相談しあって、何回も説明会を開催しながら、風力発電の設置や地域で再生可能エネルギーの島の未来を図ろうとした。
 市会議員でもある方から、説明を受けて島内を視察した。10年かけ2007年にエネルギー100%自給を達成した経緯や住民合意までの経過を聴き、役所までの太陽光発電や電気自動車の状況や施設見学では、牧場での藁や木質チップや太陽熱を利用した地域熱供給の仕組みなどを聴取。また風力発電を見学。島面積114㎢のこの島には地上11機、洋上10機の風力発電機があり、島の電力を全てまかなっているのです。
 協同組合的なコミュニティの力で、住民が風車建設に投資をして、それが還元されるのです。また島内には、ゴルフ場もあり、これもエコゴルフ場として農薬をまかずに運営されているということ。
 風力発電においても企業が運営するのではなくて、島民が株をもって運営して、その余剰電力などで利益を生む。また牧場でとれる藁を熱の供給源として、地域暖房、寒い冬も住民の生活を豊かにし、村役場前に、ソーラーパネルの太陽光発電が設置されて充電機を使っている電気自動車が職員の足となり、フェリーの燃料もいづれはバイオガスプラントで製造するメタンも燃料とする予定だという。
 再生可能エネルギーの活用を住民の力で決定して、投資もして還元もされるという、なによりも住民参加、協同組合的なコミュニティの力、によるものの大事さを学んだのである。

 島内をバスでほぼ1周。暗闇の中の畑、牧場?のなかにあるヒュッテ風の小さなホテルで一泊。なにやら古いお屋敷風のところでの分かれての宿泊でした。

 空港の免税店で買った日本酒とサムソ島の名物ジャガイモで作られた焼酎をみんなで飲んで爆睡。

●11月3日(木)

   <オーフス周辺を視察>

 オーフス市の朝、ホテルでレンタサイクルを借りて朝のサイクリング、港が大工事中。サドルが高くて怖かった。
 視察は、オーフス市周辺のアファルズ廃棄物エネルギーセンターで、「カーボンニュートラル」な廃棄物。ごみ焼却による熱を地域の冷暖房への供給含めたエネルギー利用の現場調査。
またエネルギー・サービス・オーフス(Energy Service Aarhus)で、再生可能エネルギーについて専門的な助言を行なっている組織による市民主導のエネルギー行動の啓発について調査。
 そして車中でランチボックスの昼ごはん。

 午後は、エクサギー社製のバイオガスプラントで、残飯や糞尿などを活用してバイオガス発生の取組について調査。田舎でした。ゴミ焼却場や酪農国として牛糞を活用したバイオガスプラントなどを視察。
 ホテルに戻ったのは6時過ぎ。いささか疲れました。

●11月2日(水)

     <オーフスにて>

 デンマーク第二の都市、オーフス市の朝。同行していたKBS京都の園田記者が寺田団長にインタビューのリハーサル。簡単な機材で京都に中継されるのには驚いた。市役所にて、寺田団長から市長に親書が渡されて、9時から低炭素社会に向けた取り組み、2030年までにカーボンニュートラル(出るCO₂と吸われるCO₂の量が一緒)のまちを目指している取組状況を調査。その後、バスで、牧場が広がる郊外に出て小型風車を生産している企業、バイキングウインドを視察。南米の電気のない寒村にて小型風車で電力を作り村人に喜ばれたビデオなど見て、小型風力が有する可能性について調査。
 昼ごはんは、車中で硬いパンのサンドイッチ。

 さらにハスン(Hadsund)という地域の熱供給システムで、小規模地域における地域暖房のあり方について調査。デンマークは地域暖房で家庭の暖房を賄っているのですよ。日本では札幌などで普及していますね。

 夕方、ホテルに帰還。静かなまちで夜散策しても安全なまち

●11月1日(火)

    <コペンハーゲンにて> 

 朝食後、外に出ると気温は3度。寒い!自転車で通勤する人の数に圧倒される。
 10時前、まずは、「State of Green」(デンマーク官民共同で運営されている機関)とデンマーク産業庁の担当者からデンマーク国内において2050年100%再生可能エネルギー達成の取組状況や風力発電のことについてお聞きする。ちなみに2014年の電力生産の構成は:再生可能エネルギー56%(風力:40.6、廃棄物バイオガスバイオマス:15.6、太陽光:1.9)、石炭34.4%、天然ガス6.5%、石油1%。原子力発電はないのです。風力発電について調査。
 バスの中でサンドイッチが昼食。
 午後は、デンマーク地域熱供給協会で、熱供給の取組みと状況について調査。それから高速道路で、およそ4時間、夕焼けが綺麗な、デンマーク第二の都市オーフス市に午後6時ごろ着。
 食事の後、まちを散策。百貨店などはもうクリスマスモード。運河の横にある学生たちが多いパブで美味しいビールで一服。

●10月31日(月) 

    <成田からコペンハーゲンに>    

 京都駅八条集合5時25分、眠たいよ!
 5時40分の空港バスで伊丹空港へ、伊丹空港発7時50分で成田空港着が9時過ぎ。出発まで時間があったが、12時30分のスカンジナビア航空で成田発。
 およそ11時間のフライト。順調な空の旅で映画を見たり食事をしたり、グッスリ眠って、コペンハーゲン着は、午後4時過ぎ。
 ヨーロッパは15年ぐらいかな。中心地の近くのホテルで投宿。近くのレストランで夕食後、ハロウィンで盛り上がっていたコペンハーゲンの歴史あるチボリ公園を少しだけ散策。
寒い!
 デンマークは1970年代前半のオイルショックを契機に、2050年までに石油や石炭を使うのを止め、風力、廃棄物バイオガスバイオマス、太陽光発電など再生可能エネルギー100%を国家目標として取組みを進めている、人口500万人、九州ほどの面積に、北海に接した酪農の国。


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