ひらりん気まま日記

== 毎晩パコパコ せっかちでドジなひらりんの言うたもん勝ち ==

読んだ本

2014-05-05 11:56:44 | Book&Art&TV

ムラサキハナナ

図書館で3か月も4か月も前に予約しておいた本がここに来て、どんどん「ご用意できました」になり、自転車操業的に読むのに追われている。
結局、半数くらいは読み切れずそのまま返却になったりしてしまうんだけど、そんなんやったら自分で買えばいいのに…やけど、物が増えるのがイヤ、買うと結局積ん読になって読めないままになることも多いし。
返却期限があると否応でもがんばって読むし。
そこまでして読まんでもええやんか…かではあるが、追い込まないと面倒になって何もやらなくなってしまうお年頃なので。
老化予防は好奇心から、といっても、好奇心を維持するのもなかなかたいへんです。

平成25年度下半期の直木賞を取った「昭和の犬」、受賞の日に予約したら89番目、それが今は200件超えている。
平成も26年の年を重ねてしまった。
作者の姫野カオルコは私より少し下の昭和生まれだが、幼少時の雰囲気はまさしく同じの昭和の時代。
このころは今ほど社会が目まぐるしく変転しなかっただろうから、10年くらいはそれほど変わらなかったんだろう。
たぶん、東京オリンピックを機に日本はスピード化してしまった。
小説の章見出しからして
「ララミー牧場」「逃亡者」「宇宙家族ロビンソン」「インベーダー」なんだから、郷愁のあまりしがみつきたくなる(笑)
風変りの両親を持ったため、自分の言いたいことがうまく言えず、大きな声も出ないイクの幼少時から大人になって親を看取るまで、その折々の犬と絡ませたストーリーになっている。
作者の自伝的要素が強いと思うけど、しかし、子どもの頃の出来事をよく覚えている。
私など、小学校時代のことなど、1年にひとつくらいのエピソードしか憶えてない。
良い意味で、可もなく不可もなくふつうに育った子どもだったんだろう。
いとこ達と遊んだ夏休みも、ほぼ毎日農作業に出ていた母のことも、昔のことはもうセピア色の幕に覆われていて、曖昧模糊然しているが、同じ空気を吸っていたというだけで、ひたすら懐かしいものがあった。