肴を焼いていた火も細くなっていく、宴の場を闇が包んでいく、話に沸いていた宴も終わった。
ポリメストルとラミドトスは、明日の戦いについて、飲みながら、食べながら話した。彼ら二人の意気は盛んであり、戦果の見積もりをしていた。しかし、彼らの知らないところで、ひとつしかない命の存続に脳漿を搾って、思案しているなど、微塵にも考えていなかった。
明朝、両軍は、落人たちの陣所に攻め込む段取りにして、野営の寝についた。遠くからの潮騒を聞き、荒野をうろついて廻る小動物や獣の声を聞きながらの野営の営みであった。
満天の星は、降ってくるように輝いているが、陸風が海に向かって、荒野を渡り始めた。荒野には、夜明け前の静けさが漂っている。
風がラミドトスの頬をなでる、見張りの兵がゆする。ラミドトスは、ただならぬ気配を感じた。
『軍団長。様子が変です。』
『何っ!』 彼は、立ち上がって、闇の中を透かし見た。
『軍団長。この方角です。』
見張りの兵の指差す方角に目を移した。そこには、人が動いていた。
ラミドトスは、わめいた。
『皆を起こせ!皆を起こすのだ。急げ!』
彼は、矢継ぎ早に指示を出す。
『ポリメストルの隊に連絡しろ!隊長どもに早く隊を整えるように言うのだ。急げっ!』
ポリメストルとラミドトスは、明日の戦いについて、飲みながら、食べながら話した。彼ら二人の意気は盛んであり、戦果の見積もりをしていた。しかし、彼らの知らないところで、ひとつしかない命の存続に脳漿を搾って、思案しているなど、微塵にも考えていなかった。
明朝、両軍は、落人たちの陣所に攻め込む段取りにして、野営の寝についた。遠くからの潮騒を聞き、荒野をうろついて廻る小動物や獣の声を聞きながらの野営の営みであった。
満天の星は、降ってくるように輝いているが、陸風が海に向かって、荒野を渡り始めた。荒野には、夜明け前の静けさが漂っている。
風がラミドトスの頬をなでる、見張りの兵がゆする。ラミドトスは、ただならぬ気配を感じた。
『軍団長。様子が変です。』
『何っ!』 彼は、立ち上がって、闇の中を透かし見た。
『軍団長。この方角です。』
見張りの兵の指差す方角に目を移した。そこには、人が動いていた。
ラミドトスは、わめいた。
『皆を起こせ!皆を起こすのだ。急げ!』
彼は、矢継ぎ早に指示を出す。
『ポリメストルの隊に連絡しろ!隊長どもに早く隊を整えるように言うのだ。急げっ!』