『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Aeneis's story] episode 4th 『建国の地へ』 To the funding of a nation 第1章 イピロスへ 2

2019-11-12 05:54:45 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 船団の進む方向、左手、西の方角の海域には島の存在を見ない、広大な海原の広がりが見える、右手方向には北方向にのびる海岸線が緩やかに湾曲している。(現在のキバリア湾の海岸線である。湾曲して伸びている距離は約70キロに及ぶ)
 船団は、漕ぎかたを交替させて船速を維持して進み行く、太陽が西の海に沈みゆく頃合いには、進行方向の彼方に岬を、そして、左手斜めの彼方、北西の方向に島を見る地点に到達していた。
 船団は、洋上に船を停める、パリヌルスがイリオネスに声をかける。
 『軍団長、今日の停泊予定地点に到着です』
 二人は、沿岸を眺める。
 『軍団長、一見、何もない浜のようですが?』
 『おう、そうだな!今の我々は騒動を起こしたくはない。もう少々岸によって、洋上停泊とする』
 『判りました。そのように体制を整えます』
 パリヌルスは、今夜の天候状況を推し測りながら決断する。パリヌルスが二番船のオキテスに声をかける、洋上停泊を伝える、順次、四番船まで通達が届く、4隻の船が停泊に安全であろうと考えられる離岸地点に船べりを寄せる、
停泊体制を整える、波は静かとは言えない、船べりを寄せ合った船団を揺り動かしている、落ち着かなかった。
 各船に軍団長と打ち合わせた明日の航海要領を伝える、彼らは、状況を甘んじて受けて洋上停泊を営んだ。

 船団の者らは、キバリア湾の洋上で朝を迎える。
 パリヌルスが目覚めて空を仰ぐ、星が見えない、雲が空を覆っている、ペロポネソス半島からの風を感じる、今日の天候を推測する、出来るだけ早い出航を決断する。
 その旨をイリオネスに告げる、今日の航海要領を打ち合わせる、決めた航海要領を各船に伝える、船団が停泊地点から海を割り始めたのは陽の出前であった。
 パリヌルスは、船上の者らに天候の危惧具合を話す、目的地を伝え航海要領を説明する。
 『おうっ!』漕ぎかたらから返事が返る、北西方向に見える島へと船が波を蹴る、目指す島はイオニア諸島の連なりの南端の島、サギントス島である、その島が南方向に向けて開いている大きいとは言えない湾口に向けて船団が進む。
 海上は、南西からの風がやや強めに吹いている、航走に難儀する、予定の頃合いを少々過ぎて目指した浜に到着する、着いた浜は紹介状の浜頭の浜ではないらしい。
 パリヌルスが船を下りて浜にいる人にたずねる、その浜頭の浜はこの浜続きの東の浜であるという、船団は、浜頭の浜をたづねて移動する、なんとか目標の浜に着く、碇石を沈める。
 パリヌルスがイリオネスとオキテスを同道して浜頭を訪ねる、頃合いは午後の半ばを過ぎていた。


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