一行五人は、半刻(1時間)あまり歩いて、大きいとは言えない川に突き当たった。近くには集落も散在している(現在のベラマ辺り)。スダヌスは、一同に声をかけた。
『おう、ここらで朝めしといこうではないか』
彼らは朝食休憩とした。オロンテスが火を入れた干し魚を口にして、パンをほおばった。
スダヌスはクリテスと言葉を交わした。
『そうか。この道は川の上流に向かって南東方向にのびているのか。どこいら辺りまで行くのか?クリテス、お前の思案は?』
『この道は、途中、難所が数々あるもののイラクリオンの集落まで通じているはずです。イラクリオン方面から、イデー山に登る者たち、また、イデー山のゼウスの神殿詣での者たちがこの道をたどってくるのです。ここから1刻半(3時間)あまりくらいのところにアグソスという集落があります。そこがゼウス神殿詣での宿坊の在所となります』
『そうか、判った。途中、水はどうだ?』
『水は、この川が頼りです。濁りさえなければ口にして差し支えありません。アグソスからソニアナの集落を経てイデー山に向かう、また、神殿に向かうのです。ソニアナの集落を起点にして、神殿詣で、イデー山登頂がいいと考えます。ソニアナに知り合った宿坊があります。アグソスからのガイドは、私が担当します。貴方は安堵してください』
『判った。クリテス、頼むぞ』
スダヌスは、アヱネアスの方へ身体を向けた。
『統領、出発します』
『おうっ!』
一同は立ちあがった。
『ここからアグソスというところまで川に沿った道です。川に濁りのない限り、水は飲めるとクリテスが言っています。途中一度の小休止をして、アグソスに向かいます。1刻半(3時間)余りの歩きです』
『了解!』
うなずいて一行は歩き始めた。
太陽は進行方向頭上から照りつける、汗ばんでくる、肌を撫でて吹きすぎる風が彼らに疲労を忘れさせた。
歩行を進める道は、人一人が歩む道幅であり、踏み固められており、歩きやすいといえた。
歩み始めて1刻(2時間)、わき見せずの歩きである。
右手前方に山頂一帯に雪を頂いているイデー山の山体を目にした。
『おう、ここらで朝めしといこうではないか』
彼らは朝食休憩とした。オロンテスが火を入れた干し魚を口にして、パンをほおばった。
スダヌスはクリテスと言葉を交わした。
『そうか。この道は川の上流に向かって南東方向にのびているのか。どこいら辺りまで行くのか?クリテス、お前の思案は?』
『この道は、途中、難所が数々あるもののイラクリオンの集落まで通じているはずです。イラクリオン方面から、イデー山に登る者たち、また、イデー山のゼウスの神殿詣での者たちがこの道をたどってくるのです。ここから1刻半(3時間)あまりくらいのところにアグソスという集落があります。そこがゼウス神殿詣での宿坊の在所となります』
『そうか、判った。途中、水はどうだ?』
『水は、この川が頼りです。濁りさえなければ口にして差し支えありません。アグソスからソニアナの集落を経てイデー山に向かう、また、神殿に向かうのです。ソニアナの集落を起点にして、神殿詣で、イデー山登頂がいいと考えます。ソニアナに知り合った宿坊があります。アグソスからのガイドは、私が担当します。貴方は安堵してください』
『判った。クリテス、頼むぞ』
スダヌスは、アヱネアスの方へ身体を向けた。
『統領、出発します』
『おうっ!』
一同は立ちあがった。
『ここからアグソスというところまで川に沿った道です。川に濁りのない限り、水は飲めるとクリテスが言っています。途中一度の小休止をして、アグソスに向かいます。1刻半(3時間)余りの歩きです』
『了解!』
うなずいて一行は歩き始めた。
太陽は進行方向頭上から照りつける、汗ばんでくる、肌を撫でて吹きすぎる風が彼らに疲労を忘れさせた。
歩行を進める道は、人一人が歩む道幅であり、踏み固められており、歩きやすいといえた。
歩み始めて1刻(2時間)、わき見せずの歩きである。
右手前方に山頂一帯に雪を頂いているイデー山の山体を目にした。