『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY           第5章  クレタ島  11

2012-03-20 08:41:58 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 知らない、判らない、それを知り理解することができることは『次の行動の指針になる』 
 彼は強い味方を手にすることが出来たと満足した。
 『未来を切り開きたい』
 彼は懸命にそれを望んでいた。『風向風力感知器』を造ったことは『それを望んで止まない』彼の叡智ひらめきであった。
 船は自然の力と人の力で順調とはいえないまでも航行を続けていた。オキテスは体感する航走状態に異常を感じてはいない、南中へと昇り行く太陽を仰ぎ見て航行地点を考えた。
 次の方向転換点はどこだと暗闇の中で物を探す態で考えた。彼はひとりごちた。
 『この真昼間に暗中模索か、俺もまだまだだな。様にならんな』と思いながらも鋭い感覚で物事に対峙していた。
 『力不足ながらも、この航海を必ず成功させる』
 人事を尽くす己自身の存在を強めていた。
 彼は、大声でアミクスを呼んだ。
 『アミクス航走状態はどうだ。後続の各船しっかりついてきているか。この船は先頭を進んでいる、各船を先導しているのだ。船列に乱れがないか』
 『後続の各船、只今のところ順調です。しかし、四番船と五番船の間隔が少々広まったるようですが、問題はないと思います。現在、全船順調です。以上』
 『そうか。まずは重畳ということか』
 『そのようです』


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