『おう、クリテス』アヱネアスが声をかけた。
『俺がイデーの山に登って、頂に立つ、このクレタ全島をこの目で見る。それもあるが、もう一つの用件は、ゼウスの神殿に用事がある。お前がいたデロス島、アポロの神殿において受け取った神託の事もある』
アヱネアスはクリテスと目を合わせた。
『クリテス、こういうことだ。神託はだな、神託の言葉は、あまりにも曖昧模糊だ、伝えるべきことを神託を受ける者に判りやすく伝えてはいない。俺を補佐して、神託の真意を正しく解説してほしい。判ったな』
『判りました』
『ここでお前に言いたいことは、神託の内容を絶対に他言してはならんということだ。判るな。如何なることがあっても秘密は守ってもらう。いいな』
アヱネアスは語尾に力を込めて、守秘義務であることをクリテスに告げた。
『心得ました。如何なることがあろうとも、守るべき秘密は、この命にかけて守り抜きます。私が約束をたがえることのある事態になった時は、自分自身の手でこの命を絶つことを約束します』
『おう、同道せよ』
『ありがとうございます』
クリテスは、山行に同道する命令を受け取った。
オキテスは、ガリダの許に交渉に行ってきたマクロスとソリタンをを呼んで交渉次第の詳細を聞き取った。マクロスは話の成り行きを詳しく話した。
『ほう、そうかそうか。二人ともなかなか交渉上手になったな。よしっ!よかろう。お前らの交渉次第で交渉の筋書きをつくらねばならんからのう。おい、二人とも撃剣の訓練に行かないか。統領の山行の旅たちを明日に控えての忙中の閑だ。物事の交渉も撃剣の気合い、呼吸で決まる、それが俺の持論だ』
『判りました。一緒します』
三人は腰をあげた。季節は春、身体は動を求めていた。オキテスらは気持ちよく汗を流した。
統領の旅たちという大事を明朝に控えた時の流れは早かった。時は急いで過ぎていく。
キドニアから帰ってきたギアスは、漕ぎかた一同を引き連れて新艇のところへと向かった。ドックスとその配下の者たちが彼らを迎えた。
ドックスが新艇の主要仕様を説明し、納得を確かめて、話を進める。ドックスの説明は的をはずさず解りやすくよどみがなかった。ギアスが声をかけた。
『お前ら、解ったのか?心もとないな』
『解りました』
『ここは聞いておきたいといった質問があれば聞いていい。説明する』
ドックスの説明が要領よく解りやすかったらしい。一同は、あらためて『解りました』と答えた。
『ドックス、ありがとう。一同、理解したらしい。重ねて言う、ありがとう。ドックス、海旅の道中、艇を大切に扱ってくる』
『ギアス、道中の無事を祈っている。統領の乗る船だ、何かいい名前を思いつかないか』
『そうだな、<ヘルメス>という名はどうだ?』
『おう、<ヘルメス>か、いいじゃないか。それにするかしないかは、軍団長と相談して決めてくれ』
『解りました。ドックス棟梁。私らはこれで引きあげます』
『おう、ご苦労。明朝は、新艇のところで待っている』
二人は打ち合わせを終えた。
『俺がイデーの山に登って、頂に立つ、このクレタ全島をこの目で見る。それもあるが、もう一つの用件は、ゼウスの神殿に用事がある。お前がいたデロス島、アポロの神殿において受け取った神託の事もある』
アヱネアスはクリテスと目を合わせた。
『クリテス、こういうことだ。神託はだな、神託の言葉は、あまりにも曖昧模糊だ、伝えるべきことを神託を受ける者に判りやすく伝えてはいない。俺を補佐して、神託の真意を正しく解説してほしい。判ったな』
『判りました』
『ここでお前に言いたいことは、神託の内容を絶対に他言してはならんということだ。判るな。如何なることがあっても秘密は守ってもらう。いいな』
アヱネアスは語尾に力を込めて、守秘義務であることをクリテスに告げた。
『心得ました。如何なることがあろうとも、守るべき秘密は、この命にかけて守り抜きます。私が約束をたがえることのある事態になった時は、自分自身の手でこの命を絶つことを約束します』
『おう、同道せよ』
『ありがとうございます』
クリテスは、山行に同道する命令を受け取った。
オキテスは、ガリダの許に交渉に行ってきたマクロスとソリタンをを呼んで交渉次第の詳細を聞き取った。マクロスは話の成り行きを詳しく話した。
『ほう、そうかそうか。二人ともなかなか交渉上手になったな。よしっ!よかろう。お前らの交渉次第で交渉の筋書きをつくらねばならんからのう。おい、二人とも撃剣の訓練に行かないか。統領の山行の旅たちを明日に控えての忙中の閑だ。物事の交渉も撃剣の気合い、呼吸で決まる、それが俺の持論だ』
『判りました。一緒します』
三人は腰をあげた。季節は春、身体は動を求めていた。オキテスらは気持ちよく汗を流した。
統領の旅たちという大事を明朝に控えた時の流れは早かった。時は急いで過ぎていく。
キドニアから帰ってきたギアスは、漕ぎかた一同を引き連れて新艇のところへと向かった。ドックスとその配下の者たちが彼らを迎えた。
ドックスが新艇の主要仕様を説明し、納得を確かめて、話を進める。ドックスの説明は的をはずさず解りやすくよどみがなかった。ギアスが声をかけた。
『お前ら、解ったのか?心もとないな』
『解りました』
『ここは聞いておきたいといった質問があれば聞いていい。説明する』
ドックスの説明が要領よく解りやすかったらしい。一同は、あらためて『解りました』と答えた。
『ドックス、ありがとう。一同、理解したらしい。重ねて言う、ありがとう。ドックス、海旅の道中、艇を大切に扱ってくる』
『ギアス、道中の無事を祈っている。統領の乗る船だ、何かいい名前を思いつかないか』
『そうだな、<ヘルメス>という名はどうだ?』
『おう、<ヘルメス>か、いいじゃないか。それにするかしないかは、軍団長と相談して決めてくれ』
『解りました。ドックス棟梁。私らはこれで引きあげます』
『おう、ご苦労。明朝は、新艇のところで待っている』
二人は打ち合わせを終えた。