『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第10章  アキレスとヘクトル  23

2008-02-25 07:58:57 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 帰陣したアキレスは、軍団の主だった者たちを連れて、パトロクロスの遺体を安置している場所に足を運んだ。アキレスは、ヘクトルを引きずっている戦車を引いて、遺体の周りを三回めぐり、嘆きの声を叫ぶ、次に沈痛の気をこめた息を重く吐く、これを繰り返し哀悼を行った。
 『ミルミドンの将兵たちよ!近くに寄ってくれ。名誉の死を心ならずも遂げた友パトロクロスを心ゆくまで哀悼しようではないか。そのあと、この場所で皆で食事にする。いいな!』 ミルミドンの将兵たちは、華々しく闘ったパトロクロス偲び涙した。アキレスは、ヘクトルを倒した右手をパトロクロスの胸におき、こらえていたものを吐き出すように慟哭した。
 『パトロクロスよ、我が友よ。約束したようにヘクトルを討ち倒した。ここに引いてきた。冥府の宿にて歓喜してくれ!明日、君の弔祭を行う。いいな。心を尽くして君をおくる。』
 『諸君、聞いてくれ!明日と明後日の二日間、パトロクロスの弔祭を行う。心を尽くしておくろうではないか。皆、よろしく頼む。』
 皆に言葉をかけたあと、アキレスは、軍団の将兵たちをねぎらった。


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