リナウスは、跳ね起きた。
『おう、満点に星じゃないか。やったぜ!』
夜はまだ明けきっていない、彼は起き上がる、戸口から外に出る、清澄な空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
昨夜、就寝前に整えておいた木の幹を伐る鉈を身につける、足ごしらえを確かめる、今日の一歩を踏み出した。
武闘訓練の場の裏山へ薄明の道を歩む、歩を進める、夜が明けていく、裏山の目指す箇所につく頃には周囲が見通せるくらいに明るくなった。
彼は裏山の一角にあるオリーブの自然林に目をつけておいたのである。
陽が昇る、第一射が届く、オリーブの葉先の朝露がきらりと陽の光をはね返した。
携えてきた鉈を右手に握る、渾身の力で鉈の刃をオリーブの木の幹に打ち込んだ。洗心の一撃で伐り離す、オリーブの木の幹を慰撫する気持ちでさすった。
伐りとった枝を手に取って見る。『おう、これくらいの枝を6~7本といこう』とひとりごちて、作業を進める、瞬く間に作業を終えたリナウスは、オリーブの林をあとにした。
夜は明けきっている、運ぶ足が朝露でしっとりしてくる、足裏が滑った。
伐りとってきたオリーブの枝を小屋前のテーブルのわきに下ろす、枝を手に取る、彼は余念を持たず、ひたすらに、次にやるべき作業に取り掛かっていく。
競技大会において感動を与えるに欠かすことのできないオリーブの冠を作ることに五体を集中させた。
背中に声がかかる。
『委員長、おはようございます』
彼は振り向く、そこにマッチスが立っている。
『おう、おはよう』
『委員長を宿舎に訪ねました、こちらであろうと思いまいりました。オリーブの冠作りですね、手伝います』
『おう!』
リナウスは冠作りの手を止めない、マッチスはオリーブの小枝を幹から切り離し整えていく、作業がはかどる。
『おう、マッチス、ありがとう。作業が終わった』
委員たちが姿を見せる、彼らと大会運営について打ち合わせる。
リナウスは競技予定の1番にかかげたスタジオン競走は、取りやめて、スタジオン往復競走のみとすることを一同に告げる。そして、委員各自の役務を確認して大会参加者たちの到着を待った。
1番に姿を見せたのは、オキテスの三番船の一同である。担当が所定の箇所に案内する。彼らは大会会場を見渡す。
リナウスはマッチスに指示をする。
『マッチス、統領と軍団長を呼びに行ってきてくれ』
マッチスは走った。
『おう、満点に星じゃないか。やったぜ!』
夜はまだ明けきっていない、彼は起き上がる、戸口から外に出る、清澄な空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
昨夜、就寝前に整えておいた木の幹を伐る鉈を身につける、足ごしらえを確かめる、今日の一歩を踏み出した。
武闘訓練の場の裏山へ薄明の道を歩む、歩を進める、夜が明けていく、裏山の目指す箇所につく頃には周囲が見通せるくらいに明るくなった。
彼は裏山の一角にあるオリーブの自然林に目をつけておいたのである。
陽が昇る、第一射が届く、オリーブの葉先の朝露がきらりと陽の光をはね返した。
携えてきた鉈を右手に握る、渾身の力で鉈の刃をオリーブの木の幹に打ち込んだ。洗心の一撃で伐り離す、オリーブの木の幹を慰撫する気持ちでさすった。
伐りとった枝を手に取って見る。『おう、これくらいの枝を6~7本といこう』とひとりごちて、作業を進める、瞬く間に作業を終えたリナウスは、オリーブの林をあとにした。
夜は明けきっている、運ぶ足が朝露でしっとりしてくる、足裏が滑った。
伐りとってきたオリーブの枝を小屋前のテーブルのわきに下ろす、枝を手に取る、彼は余念を持たず、ひたすらに、次にやるべき作業に取り掛かっていく。
競技大会において感動を与えるに欠かすことのできないオリーブの冠を作ることに五体を集中させた。
背中に声がかかる。
『委員長、おはようございます』
彼は振り向く、そこにマッチスが立っている。
『おう、おはよう』
『委員長を宿舎に訪ねました、こちらであろうと思いまいりました。オリーブの冠作りですね、手伝います』
『おう!』
リナウスは冠作りの手を止めない、マッチスはオリーブの小枝を幹から切り離し整えていく、作業がはかどる。
『おう、マッチス、ありがとう。作業が終わった』
委員たちが姿を見せる、彼らと大会運営について打ち合わせる。
リナウスは競技予定の1番にかかげたスタジオン競走は、取りやめて、スタジオン往復競走のみとすることを一同に告げる。そして、委員各自の役務を確認して大会参加者たちの到着を待った。
1番に姿を見せたのは、オキテスの三番船の一同である。担当が所定の箇所に案内する。彼らは大会会場を見渡す。
リナウスはマッチスに指示をする。
『マッチス、統領と軍団長を呼びに行ってきてくれ』
マッチスは走った。