『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY            第5章  クレタ島  125

2012-09-18 06:20:39 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスは、略図を見ながら、クリテスと二言三言、話し終えて口を開いた。
 『よく判った。我々はクレタ島のハニアを目指す。我々の目指すクレタ島の上陸地点はハニア以外にない。パリヌルス頼んだぞ。以上だ。いいな』
 アエネアスは話を締めくくり、一同と目線を合わせた。
 『判りました』
 一同は声をそろえた。オキテスがパリヌルスに声をかける。
 『ところで 明朝の出航は何刻とする?パリヌルス、それを決めておこう』
 『明朝の雲行き次第だが、朝めしを終えてからとしているが。ことと次第によっては早まるかもしれん。それでいいか』
 『いいだろう。その段取りで行こう』
 『あ~あ、軍団長、お願いです。夕食のときに統領から皆にひと言、話をしていただければと思っています。頼んでおいてください。そのひと言が皆を奮い立たせます』
 『判った』
 オロンテスが姿を見せた。
 『打ち合わせ終わりましたか』
 『おう、今、終わったところだ』
 『夕食の準備が出来ました。パンつくり作業も終わりました。いやあ~、とても旨いパンに焼けました。皆を場につかせようと思いますが』
 『そうか、それはよかった。ところで浜の住民たちのことを簡単に説明してくれ』
 『彼らは、私らを海賊と勘ちがいしている、それだけです。もう、我々が害を為さないと判りかけているはずです』
 『そうか。それにもうひとつ、我々の言葉が通じそうか?』
 『それは大丈夫。いけると思います』
 『夕食の場に余席があるか。住民の分だ。パン、その他を含めてだ』
 『それについては、判りました。何とかします、ご心配なく』
 『軍団長と俺が行ってくる。皆が場についたら始めてくれていい。統領のひと言があるぞ。いいな』
 『判りました。待っています』


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