イリオネスがテカリオンの話にうなずいて口を開く。
『ほう、そのようですか。トロイの地で残虐の限りを尽くした奴らです。私らも忘れてはいません。しかし、日々の多忙、雑事に追われて思い出すことも少なくなっていますな』
『あ~、それから耳にしていられますかな。このクレタのイドメネウスのことですが、簒奪した戦利品を持って意気揚々と帰ってきたまではよかった。代わって彼の領地を治めていた者が、イドメネウスの妻をわがものにして領主となっており、イドメネウスは、受け入れてもらえず、持って帰った戦利品は取り上げられ、追い返されてしまい、ヘスぺリアの遠く西の地にようようにしてたどり着き生きているそうです。それからですが、ヘクトル殿の奥さんだったアンドロマケ殿は、アキレスが死んで、その息子のネオプレトモスも生活が定まらず、彼から解放されて、ペロポンネソス西北の地で生きておられるそうです。そのように耳にしています』
それを聞いたアエネアスが驚く、トロイでヘクトルと力を合わせて、ギリシア連合軍と刃を交えたに日を思い浮かべる、口を開く。
『何っ!アンドロマケが生きている、元気だろうか?会いたいものだ、顔を見たい、苦労をしたであろう。今は奴隷の身ではないだろうな。案じられる』
彼は、この広い世界で会えるとは考えずに言葉にする。のちにアエネアスが西へ向かう途上で再会を果たすのだが、そのようなことは考えられない。
イリオネスが口を挟む。
『テカリオン殿、この話は、なかなか興味のある話ですな。この私も会って顔を見たい、どのようにして生活をしているのか気になる。といったところだ』
テカリオンがとても興味のある話をして小休止する。
一同とぶどう酒を酌み交わす、堅パンを口にする、一同が顔を会わせる、うなずく、笑みを交わす、ここまで話を聞いての雑談を交わす。
テカリオンが口を開く。
『しかし、あれですな。世の中よくできています。天は、悪逆非道を尽くした者を許さない、天の正義ですな。温和な民族のトロイの民を焼き討ちで滅ぼした奴らに天が罰を下しています。豪勇をうたわれたアイアースもプロミリオンの海域で嵐に遭遇する、船が断崖に激突する、木っ端みじんに砕けて海の藻屑となっています』
テカリオンが一同と目を合わせる、10のまなざしがテカリオンの両の目を見つめる、うなずき交わす、次の語りに口を開く。
『ギリシア本土の東にある南北に細長いエボィア島の話です。カルキスとエレトリアの両地方で集落が糾合して、国家形態ができつつあります。将来アテネとまではいかないと思いますが、ポリスを形成しようとしています。しかし、彼らも海外に目を向けて交易に手を出そうとしています。私の商売敵の出現ですな。皆さん!今後、これからも末永く、この私、テカリオンをよろしく願います』
テカリオンの話を聞いて、アエネアスが返事を返した。
『ほう、そのようですか。トロイの地で残虐の限りを尽くした奴らです。私らも忘れてはいません。しかし、日々の多忙、雑事に追われて思い出すことも少なくなっていますな』
『あ~、それから耳にしていられますかな。このクレタのイドメネウスのことですが、簒奪した戦利品を持って意気揚々と帰ってきたまではよかった。代わって彼の領地を治めていた者が、イドメネウスの妻をわがものにして領主となっており、イドメネウスは、受け入れてもらえず、持って帰った戦利品は取り上げられ、追い返されてしまい、ヘスぺリアの遠く西の地にようようにしてたどり着き生きているそうです。それからですが、ヘクトル殿の奥さんだったアンドロマケ殿は、アキレスが死んで、その息子のネオプレトモスも生活が定まらず、彼から解放されて、ペロポンネソス西北の地で生きておられるそうです。そのように耳にしています』
それを聞いたアエネアスが驚く、トロイでヘクトルと力を合わせて、ギリシア連合軍と刃を交えたに日を思い浮かべる、口を開く。
『何っ!アンドロマケが生きている、元気だろうか?会いたいものだ、顔を見たい、苦労をしたであろう。今は奴隷の身ではないだろうな。案じられる』
彼は、この広い世界で会えるとは考えずに言葉にする。のちにアエネアスが西へ向かう途上で再会を果たすのだが、そのようなことは考えられない。
イリオネスが口を挟む。
『テカリオン殿、この話は、なかなか興味のある話ですな。この私も会って顔を見たい、どのようにして生活をしているのか気になる。といったところだ』
テカリオンがとても興味のある話をして小休止する。
一同とぶどう酒を酌み交わす、堅パンを口にする、一同が顔を会わせる、うなずく、笑みを交わす、ここまで話を聞いての雑談を交わす。
テカリオンが口を開く。
『しかし、あれですな。世の中よくできています。天は、悪逆非道を尽くした者を許さない、天の正義ですな。温和な民族のトロイの民を焼き討ちで滅ぼした奴らに天が罰を下しています。豪勇をうたわれたアイアースもプロミリオンの海域で嵐に遭遇する、船が断崖に激突する、木っ端みじんに砕けて海の藻屑となっています』
テカリオンが一同と目を合わせる、10のまなざしがテカリオンの両の目を見つめる、うなずき交わす、次の語りに口を開く。
『ギリシア本土の東にある南北に細長いエボィア島の話です。カルキスとエレトリアの両地方で集落が糾合して、国家形態ができつつあります。将来アテネとまではいかないと思いますが、ポリスを形成しようとしています。しかし、彼らも海外に目を向けて交易に手を出そうとしています。私の商売敵の出現ですな。皆さん!今後、これからも末永く、この私、テカリオンをよろしく願います』
テカリオンの話を聞いて、アエネアスが返事を返した。