『おッ!お前ら、昼めしの真っ最中か。俺の分もありそうか』
『え~え、あります。どうぞ』
『パンだけでいい。そこでだ、この俺を小島へ運んでくれ、ハシケで行く』
『おいそぎですか』
『おう、急いでいるといえば急いでいる。それはいい、めしを済ませてくれ、それからでいい』
『判りました、急ぎます』
やりとりを終えて、パリヌルスは小島へ渡った。
小島へ渡った彼は、アレテスの姿を探した。
『あっ、隊長!アレテス隊長は、今、向こうです』
『呼ばなくていい、俺が行く』と言って歩を進めた。
『おう、アレテス、ちょっと聞きたいことがあって来たのだ。お前やりかけの仕事があるなら済ませろ。俺は待つ』
『判りました。私の方からも連絡事項があります。では』と言って背を向けて10人くらいで取り組んでいた仕事の場に戻っていった。
やりかけの仕事を終えてアレテスがやってくる。二人は、波打ち際に立って話し始めた。
『アレテス、連絡事項とやらを先に聞く。何だ』
『例の魚の件です、うまくいきそうです。明日の夕めしに間に合います』
『明日の夕めしか、いいだろう。俺は明日の夕めしをこちらで食べる、よろしく頼む。ギョリダも同席させてくれ』
『判りました。では、用件を』
『あのだな、事情調査だ。今使っている船は、皆が乗って来た軍船のみだな』
『はい、そうです』
『小島を見渡した限りでは、船の姿が見えん。海賊どもが使っていた船は、あの海戦ですべて燃やしてしまっていたか』
『そうですが、この島の北西の突端に朽ち果てた船が1隻ありますが』
『ほう、どれくらいの大きさだ。我々が保有している船で大きさを言ってみてくれ』
『舟艇より一回り大きいくらいの船です』
『それはちょうどいいくらいの船だな。見に行こう』
二人は連れ立って歩き出した。船の在り場所に着いた。パリヌルスは船を見つめた。
傷んでいる。致命的な傷みである。船底部分が痛んでいた。座礁による傷みであると見て取れた。パリヌルスは、修理して使えるか、どうかを丹念に観察した。
『アレテス、判った。側板は何ともない。船底を修理すればいいな。明日、船の修理について詳しい者をこちらへよこす、その者に船を見せてくれ。メインマストと帆の事も考えねばならんな、ということだ』
『判りました』
『用件は、船の事なのだ。出来ることならこの船を修理して使えるようにしたい。そのほかにハシケが1艘いるな。本島と連絡用にとちょっとした小用に使うやつだ。これから忙しくなる、小船がいる。それの調達を考えて、今日、ここに来たのだ』
『それは、ありがたいことです』
『おう、それからだが、今日、漁に出ているのか』
『はい、出ています。ギョリダの話では、今日は新しい漁場でやっているはずです』
『え~え、あります。どうぞ』
『パンだけでいい。そこでだ、この俺を小島へ運んでくれ、ハシケで行く』
『おいそぎですか』
『おう、急いでいるといえば急いでいる。それはいい、めしを済ませてくれ、それからでいい』
『判りました、急ぎます』
やりとりを終えて、パリヌルスは小島へ渡った。
小島へ渡った彼は、アレテスの姿を探した。
『あっ、隊長!アレテス隊長は、今、向こうです』
『呼ばなくていい、俺が行く』と言って歩を進めた。
『おう、アレテス、ちょっと聞きたいことがあって来たのだ。お前やりかけの仕事があるなら済ませろ。俺は待つ』
『判りました。私の方からも連絡事項があります。では』と言って背を向けて10人くらいで取り組んでいた仕事の場に戻っていった。
やりかけの仕事を終えてアレテスがやってくる。二人は、波打ち際に立って話し始めた。
『アレテス、連絡事項とやらを先に聞く。何だ』
『例の魚の件です、うまくいきそうです。明日の夕めしに間に合います』
『明日の夕めしか、いいだろう。俺は明日の夕めしをこちらで食べる、よろしく頼む。ギョリダも同席させてくれ』
『判りました。では、用件を』
『あのだな、事情調査だ。今使っている船は、皆が乗って来た軍船のみだな』
『はい、そうです』
『小島を見渡した限りでは、船の姿が見えん。海賊どもが使っていた船は、あの海戦ですべて燃やしてしまっていたか』
『そうですが、この島の北西の突端に朽ち果てた船が1隻ありますが』
『ほう、どれくらいの大きさだ。我々が保有している船で大きさを言ってみてくれ』
『舟艇より一回り大きいくらいの船です』
『それはちょうどいいくらいの船だな。見に行こう』
二人は連れ立って歩き出した。船の在り場所に着いた。パリヌルスは船を見つめた。
傷んでいる。致命的な傷みである。船底部分が痛んでいた。座礁による傷みであると見て取れた。パリヌルスは、修理して使えるか、どうかを丹念に観察した。
『アレテス、判った。側板は何ともない。船底を修理すればいいな。明日、船の修理について詳しい者をこちらへよこす、その者に船を見せてくれ。メインマストと帆の事も考えねばならんな、ということだ』
『判りました』
『用件は、船の事なのだ。出来ることならこの船を修理して使えるようにしたい。そのほかにハシケが1艘いるな。本島と連絡用にとちょっとした小用に使うやつだ。これから忙しくなる、小船がいる。それの調達を考えて、今日、ここに来たのだ』
『それは、ありがたいことです』
『おう、それからだが、今日、漁に出ているのか』
『はい、出ています。ギョリダの話では、今日は新しい漁場でやっているはずです』