『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Remembrance of Aeneis] Ⅳ To founding land of nation  『建国の地へ』 第2章  プトロトウムにて  46

2020-03-09 06:01:40 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスを送ってくれたぺリオス方の者らが帰って行く、アエネアスがイリオネスに声をかける。
 『おう、軍団長、俺の想いだが、今夕、ぺリオス方の業務に従事した一同をねぎらいたい。なんとかならないか、オロンテスにはかってみてくれないか?』
 『統領、えらく急ですね。幸い城下の業者がいま、こちらに来ています。オロンテスと打ち合わせをして手配します』
 『おう、頼む。肉をメインにしてささやかでいい!』
 イリオネスが四番船のほうにおもむく、すでに船団の各船が船体を海になじませている、イリオネスがオロンテスと打ち合わせる、オロンテスが業者と打ち合わせる。
 『了解しました。一切を引き受けます。安心して任せてください。酒は、10樽くらいでいいですね』
 『おう、それくらいでいい』と返事して、準備方の手配を終える。
 イリオネスがアエネアスに手配の完了を伝える。
 『統領、手配を終えました』
 『おう、そうか。重畳!夕食会の前に各船の責任者らと打ち合わせをする』
 『解りました』
 イリオネスが空を仰ぐ、陽はまだ高みにある、各船の責任者らを召集する。
 アエネアスは、ぺリオスが準備してくれた複数枚の海路を描いた木板を手にして起ちあがる、イリオネスがアエネアスを呼びに来る。
 『統領、一同が集合しました。場は、例の場所です』
 『おう、そうか。行こう!』
 二人は、一同のいる場に歩を運ぶ、アエネアスが一同に声をかける。
 『おう、一同、ごくろう!心機充実の具合はどうかな?三日間、顔を合わせなかったら、久しぶりといった感じがする。各船、出航の準備が整ったか?』
 声高に言って、一同と目を合わせる。
 『オロンテス、荷積みのほうはどんな具合だ?』
 『はい!先ほど終えました』
 『そうか、完了しているな。パリヌルス、一番船の準備は?』
 『はい!完了しています』
 『おう、オキテス、二番船は?』
 『完了しています』
 『俺は、二番船に乗る、よろしくな。いただきもののあの大釜を積んでおいてくれ』
 『はい、解りました』
 『おう、アレテス、三番船は?』
 『準備万端、整備完了です』
 『おう、よしっ!』と言って、航海の海路図の描かれた木板の一枚を手にする、一同に提示する、一同が顔を寄せ合って描かれた海路図に見入る、一同に声をかけるアエネアス。
 『おう、見て解るかな。では、航海事情を話す。このプトロトウムの前面の対岸の島は、ケルキラ島である。この港を出航して船団は、北へと向かう。北へ進むこと2刻(約4時間)余りで、このケラニア岬に到る。このケラニア岬は何ものも寄せ付けない断崖らしい。この断崖を過ぎた向こうに船を寄せることのできる浜があるとのことである。このケラニアの浜で西に向かう風待ちをする。このケラニアの地がヘスペリアのあるイタリアへ向かう至近の地であるらしい。ここで西に向かう東からの風を待つ、この風を帆にはらみ出航する。ところでイタリアなる地の事情があって、二日間は陸地に上陸することのない航海を続ける。そのように対処してくれ。一日中、航海してイタリアの地の東南端の岬あたりに到るが陸地に寄せて海上停泊とする。明くる朝は星を頭上にして早朝に出航する。このタラント湾は、とてつもないでっかい湾であるらしい、この湾口を横切るのに1日がかりの航海であるそうである。都合二日間の航海で到る岬の地あたりで上陸を考えよう。この航海の何故は、タラント湾の湾岸には我々の敵性国家であるギリシアの植民市の町邑がひしめき合っているそうである。オロンテス、この航海事情に合わせて、食糧の手配をケラニアの浜でしてくれ。尚、ケラニアにての風待ちは二日ないし三日と考えている。以上だ』
 『統領、航海の内容を理解しました。安全なる航海に努めます』
 『おう、理解してくれたか。ところで今日は、この四か月、ぺリオス方の業務に尽くしてくれた一同をねぎらう夕食会をささやかであるが催す。その席で一同に航海に就いての話もする』
 『それを心して夕食会の場づくりをします』
 イリオネスは、夕食会の場づくりを一同に指示した。


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