アエネアスが話そうとする浜頭に目線を合わせる。
『アエネアス殿、私が今から話すことは、あなた方にとって、耳よりな話です。風の便りで耳にしたことですなのですが、それがひとつ、それにもうひとつは、これから航海されるこのケルキラ島の西の遠いところにある隣国への航海について話します。よろしいかな?』
浜頭の話にアエネアスは姿勢を正す。
『それは、何としても伺いたい話です。心して聞きます』
場に緊張感が漂う、アエネアスは、目を合わせる、口の開くのを待つ。
『これは、チョット本当かどうかマユツバなる話です。トロイの元王妃が、このケルキラの対岸のギリシアは、イピロス、プトロトウムなる地に居ると風の便りで耳にしています。その王妃の夫君もトロイの領主の血筋と聞いています』
それを聞いたアエネアスは耳を疑う。
『その話は本当なのですかな?』
『いや、風聞です。ギリシアの国のことです、私らではその真偽のほどは解りませんな』
アエネアスは首をかしげる、出来ることならその真偽を確かめたいと考える。
浜頭がアエネアスの顔を見る、一拍の間をおいて、話を始める。
『それともうひとつは、西の遠い隣国の地のでっかい湾奥にある都邑、ターラントなるところへの航海図を描いてさしあげようと思っています。しかし、残念ながら、その地の浜頭には知り合いはいません。よろしいかな?』
『そのターラントなる地への航海図ですか、それはそれは、このうえなくありがたいことです。よろしく願います』
『解りました』
アエネアスは、浜頭との話し合いで安堵を得ると同時に風聞の真偽を自分の目で確かめたいとその方策を考える。
浜頭との話し合いが終わる。
浜頭に丁重に礼を述べて場を去る、船団の停留地へと歩を向けた。
パリヌルスは、浜頭と水夫頭らと共に船団の船を揚陸している浜へと歩を運ぶ、彼らの交わす雑談に耳を傾ける、語られる雑談の筋から彼らは、漁師なのか、交易人なのか、はたまた彼らの生業が何なのかを頭の片隅で考えた。
一行は船団の船が陸揚げされている浜に着く、彼らは船に目をくぎづける、普通ならぬ目力で船を眺める、浜頭がパリヌルスに話しかける。
『ほっほう、帆柱が2本で4枚帆、櫂舵がついていませんな。どういうことです?また、船底の構造もなんとなく異様ですな』
浜頭が見た目による第一印象を述べる。
一行は船の周囲を見て廻る、パリヌルスが浜頭に声をかける。
『浜頭殿、これが櫂舵にかわる構造です』と言って船尾の舵構造を手で指し示す。
浜頭が驚いた目つきで見入る。
『パリヌルス殿、これが櫂舵にかわる舵ですか。櫂舵に比べて、その効果のほどはどんなもんですかな?できるなら体で感じてみたいものですな』
浜頭は、疑問を持って目線を注いでいる。
パリヌルスは、船上にいる者に声をかけた。
『アエネアス殿、私が今から話すことは、あなた方にとって、耳よりな話です。風の便りで耳にしたことですなのですが、それがひとつ、それにもうひとつは、これから航海されるこのケルキラ島の西の遠いところにある隣国への航海について話します。よろしいかな?』
浜頭の話にアエネアスは姿勢を正す。
『それは、何としても伺いたい話です。心して聞きます』
場に緊張感が漂う、アエネアスは、目を合わせる、口の開くのを待つ。
『これは、チョット本当かどうかマユツバなる話です。トロイの元王妃が、このケルキラの対岸のギリシアは、イピロス、プトロトウムなる地に居ると風の便りで耳にしています。その王妃の夫君もトロイの領主の血筋と聞いています』
それを聞いたアエネアスは耳を疑う。
『その話は本当なのですかな?』
『いや、風聞です。ギリシアの国のことです、私らではその真偽のほどは解りませんな』
アエネアスは首をかしげる、出来ることならその真偽を確かめたいと考える。
浜頭がアエネアスの顔を見る、一拍の間をおいて、話を始める。
『それともうひとつは、西の遠い隣国の地のでっかい湾奥にある都邑、ターラントなるところへの航海図を描いてさしあげようと思っています。しかし、残念ながら、その地の浜頭には知り合いはいません。よろしいかな?』
『そのターラントなる地への航海図ですか、それはそれは、このうえなくありがたいことです。よろしく願います』
『解りました』
アエネアスは、浜頭との話し合いで安堵を得ると同時に風聞の真偽を自分の目で確かめたいとその方策を考える。
浜頭との話し合いが終わる。
浜頭に丁重に礼を述べて場を去る、船団の停留地へと歩を向けた。
パリヌルスは、浜頭と水夫頭らと共に船団の船を揚陸している浜へと歩を運ぶ、彼らの交わす雑談に耳を傾ける、語られる雑談の筋から彼らは、漁師なのか、交易人なのか、はたまた彼らの生業が何なのかを頭の片隅で考えた。
一行は船団の船が陸揚げされている浜に着く、彼らは船に目をくぎづける、普通ならぬ目力で船を眺める、浜頭がパリヌルスに話しかける。
『ほっほう、帆柱が2本で4枚帆、櫂舵がついていませんな。どういうことです?また、船底の構造もなんとなく異様ですな』
浜頭が見た目による第一印象を述べる。
一行は船の周囲を見て廻る、パリヌルスが浜頭に声をかける。
『浜頭殿、これが櫂舵にかわる構造です』と言って船尾の舵構造を手で指し示す。
浜頭が驚いた目つきで見入る。
『パリヌルス殿、これが櫂舵にかわる舵ですか。櫂舵に比べて、その効果のほどはどんなもんですかな?できるなら体で感じてみたいものですな』
浜頭は、疑問を持って目線を注いでいる。
パリヌルスは、船上にいる者に声をかけた。