『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  281

2014-05-27 05:50:13 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『パリヌルス、お前の言いたいことは判った。先ほどの会議の場でもお前が言っていた魚の売りについては、スダヌスなる漁師に任せるとしてだ。アレテスにも判るように仕事の経緯をこの場で話してやってくれ。会議の場では、今、お前が言ったような具体的な説明がちょっと乏しかったが、アレテスがギョリダに漁についての後事を託して、調査隊の一員として出かけるわけだ。詳しく説明をしてやってほしい』
 『おう、判った。アレテス、よく聞いてくれ。魚の販売の一切をスオダの浜の漁師スダヌスという漁師に任せるわけだが、この漁師はキドニアの集散所にも売り場を持っている。そのスダヌスだが五人の漁師仲間で売り場を切り盛りして、魚の販売をしている。集散所の売り場で取り扱っている魚のほとんどが朝獲れの魚だ。魚の加工品も少しは見かけるが、ないに等しいといった状態だ。交易人たちが航海の途上で魚を食べようと思っても食べる魚がないというわけだ。判るな。魚を売ることはパンを売ることとはいささか違う。俺はいろいろ考えた。我々が漁に出て獲る魚が多すぎるのだ。集散所で我々が売り場をもって仕事をやっても到底売りさばききれないと考えられた。これについては魚の売りさばきを我々以外の魚の売り専門の者に任せて、我々は魚を獲ること、そして、魚を日持ちするように加工して、売りをもっぱらとする者に託して売っていくことが有利であると判断したのである。そのようなわけで我々はいい決断をしなければいけないわけだ。それに我々が獲っている魚の種類にも関係がある。単一種類の魚であることが関係するのだ。アレテス、ギョリダ、俺の言っていることを理解してくれているかな。質問があれば聞いてくれ。今、言ったことは、獲った魚をどのようにして売りさばいていくか、我々がどんなカタチでこの仕事の関わっていくかを説明した』
 『パリヌルス隊長、そうすれば、俺たちは魚を獲ること、魚を売れる魚に加工することに専念するということになるわけですね』
 『というわけだ。スダヌスの方から生で大量にと要請があれば、それにこたえて魚を獲るということになる』


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